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運営指導の指摘事項 よくある例|5つの自治体の公表資料から

公開日: 2026-10-26更新日: 2026-10-27書いた人: 茂呂史生(Happiter株式会社)
運営指導で何を指摘されるかを知る近道は、自治体が公表している「主な指摘事項」を読むことです。栃木県・埼玉県・青森市・鹿児島市・岐阜市の5つの資料を並べると、くり返し出てくるのは非常災害対策、個別支援計画、感染症と業務継続計画(BCP)、人員配置、加算の根拠になる記録の5つでした。青森市の資料では、令和7年度に運営指導を受けた事業所の24%が文書指導を受け、10%が報酬の返還を指導されています。指摘の例を、どの自治体の資料に書いてあるかを添えて整理します。全国の傾向ではなく、この5つの資料に書いてあることです。
出典: 栃木県保健福祉部指導監査課「運営指導における主な指摘事項について(指定障害福祉サービス事業所等)」(令和8年3月31日 https://www.city.tochigi.lg.jp/uploaded/attachment/68666.pdf)(栃木市のサイトに掲載)、埼玉県福祉部福祉監査課「運営指導での主な指摘事項に関するQ&A(障害者支援施設、障害福祉サービス事業所等)」(令和8年4月 https://www.pref.saitama.lg.jp/a0606/fukushikansa22qa.html ・PDF https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/19929/r8syougai.pdf)、青森市福祉部指導監査課「指定障害福祉サービス事業者等に対する指導監査について」(令和8年3月 https://www.city.aomori.aomori.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/004/832/080508_kansa.pdf)、鹿児島市「障害福祉サービス等に対する主な指摘事項」(2026年5月29日更新 https://www.city.kagoshima.lg.jp/kenkofukushi/chouju/shidoukansa/kenko/fukushi/kansa/sitekijikou3.html)、岐阜市福祉部指導監査課「運営指導等について」(令和7年度 https://www.city.gifu.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/033/759/unneishidou.pdf)

5つの資料にくり返し出てくる指摘

分野指摘の例資料
非常災害対策計画が無い、計画に入れる項目が足りない、避難訓練をしていない・記録が無い青森市・栃木県・埼玉県
個別支援計画原案・会議録・モニタリングの記録が無い、見直しが期間内に無い、会議や同意の順番が逆青森市・栃木県・埼玉県・鹿児島市
感染症・BCP委員会の回数が足りない、研修と訓練をしていない、BCPが無い栃木県・鹿児島市・岐阜市・青森市
人員児童指導員・保育士が2人以上いない日がある、送迎や昼食で外に出て基準を割る栃木県・岐阜市
加算の記録欠席時対応加算・処遇改善加算などの算定の根拠になる記録が足りない栃木県・岐阜市・埼玉県

青森市の令和7年度の運営指導(令和8年1月実施分まで)では、文書指導(文書で改善報告を求められる指導)の件数は「非常災害対策」が最も多く、次が「個別支援計画の作成」でした。非常災害対策は、火災・風水害・地震等のいずれにも対応した具体的な計画が求められます。計画に入れる項目として、立地条件、情報の入手方法、連絡先と通信手段、避難を始める時期と判断基準、避難場所、避難経路、避難方法、人員体制と指揮系統、関係機関との連携体制が挙げられています。

5つを通して読むと、「やっていない」と同じくらい「記録が無い」「確認できない」が並びます。鹿児島市の資料には「アセスメントに当たり、利用者に面接したことを確認できない」という指摘があります。面接をしていても、記録で確かめられなければこう書かれる、と私は読んでいます。指摘の文面はどの自治体もよく似ていて、言い換えれば、予習が効きます。

減算や報酬の返還につながる指摘

青森市の資料は、指摘のうち「個別支援計画の作成」「給付費の算定及び取扱い」「従業者の員数等」を、減算や過誤調整(請求を取り下げて報酬を返すこと)につながる可能性がある、としています。同じ3つの具体例が、ほかの資料にもあります。

決められた措置をしていないと利用者全員の報酬が下がる「未実施減算」もあります。栃木県の資料は、業務継続計画未策定減算(3%か1%)、身体拘束廃止未実施減算(10%か1%)、虐待防止措置未実施減算(所定単位数の1%)を挙げています。情報公表を加えた4つの未実施減算は運営指導の前に確かめる未実施減算の記事にまとめています。

サービス別に多い指摘

放デイ・児発

就労系(A型・B型)

グループホーム

出典: 上記5資料(埼玉県Q&A p.5〜7・p.31、青森市 p.3〜8)

指摘を受けたあと:改善報告と次の運営指導まで

青森市の資料は、運営指導や監査のあとの措置を、行政指導(軽いほうから助言・口頭指導・文書指導・改善勧告)と行政処分(改善命令・効力停止・指定取消)に分けて説明しています。文書指導を受けたら、期限までに改善報告を出します。改善報告書に書くことは、国のマニュアルの例を運営指導の当日の流れで紹介しています。

運営指導そのものは、青森市の資料では概ね6年に1度、またはサービスの種別により3年に1度です。次まで間があくので、改善報告を出して安心すると、職員が入れ替わったころに同じ所でつまずきます。指摘はたいてい、忙しい日の「あとで書く」から生まれます。その「あとで」は、たいてい運営指導の前の晩にやってきます。青森市は、自主点検を少なくとも年に1度は行うよう求めています。

指摘を次の運営指導まで持ち越さないために、私たちは次の3つをすすめています。

  1. 所在地の指定権者の「主な指摘事項」を印刷する: それを自分の事業所の点検表にして、年1回は上から確かめる
  2. 記録はその日のうちに: 欠席の連絡、会議、面接、訓練。「やった」を、日付と中身が分かる形で残す
  3. 人が動いたら加算も見る: 栃木県の資料は、人事異動や退職で配置が変わる時は、加算の要件を満たしているか必ず確かめるよう求めています
出典: 青森市の上記資料 p.12・p.13・p.17、栃木県の上記資料(各種減算・加算に関すること)
この記事は5つの自治体が公表している資料を読んで整理したものです。指摘の内容・減算の扱い・改善報告の期限は、指定権者(都道府県・指定都市・中核市など)が判断し、自治体と年度によって異なります。所在地の指定権者の案内を優先してください。
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茂呂史生
茂呂史生 Happiter株式会社 代表。2005年から訪問介護・放課後等デイサービス・グループホーム・就労支援を自分の手で立ち上げ、4社を経営。著書『世界を変える子どもたち』。

この記事は、国の公表資料をもとにHappiter株式会社が要約したものです。指摘の内容は自治体と年度で異なります。所在地の指定権者が公表している資料を確認してください。誤りを見つけた方は お問い合わせ からお知らせください。