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目標工賃達成指導員配置加算の要件|B型の人員と算定

2026-10-27書いた人: 茂呂史生(Happiter株式会社)
目標工賃達成指導員配置加算は、就労継続支援B型の事業所が、工賃目標の達成に取り組む「目標工賃達成指導員」を基準の人員に加えて置いた時の加算です。国の留意事項(令和8年5月28日の改正)では、就労継続支援B型サービス費(Ⅰ)または(Ⅳ)を算定する事業所が、目標工賃達成指導員を常勤換算で1人以上置き、その指導員と職業指導員・生活支援員の総数が利用者の数を5で割った数以上の時に算定します。(Ⅰ)と(Ⅳ)は、どちらも職員が利用者6人に1人以上の区分です。この加算を算定していることは、工賃目標を達成した時の目標工賃達成加算の前提にもなります。人員の数え方、指導員の役割、単位数の例、目標工賃達成加算とのつながり、記録の残し方を整理します。
出典: 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成18年10月31日障発第1031001号)新旧対照表(最終改正 令和8年5月28日。以下「留意事項」)PDF p.288〜289・p.303〜305(厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/001705650.pdf)

対象と人員の要件:6対1の区分に、指導員を足して5対1

留意事項の区分の定義は次のとおりです。

区分定義(人員の部分)
サービス費(Ⅰ)工賃向上計画を作成している事業所で、従業者の員数が利用者の数を6で割った数以上
サービス費(Ⅳ)利用定員と人員配置で算定する区分((Ⅳ)〜(Ⅵ))のうち、従業者の員数が利用者の数を6で割った数以上
この加算(Ⅰ)(Ⅳ)の事業所で、目標工賃達成指導員を常勤換算1人以上置き、指導員・職業指導員・生活支援員の総数が利用者の数を5で割った数以上

6対1は職業指導員と生活支援員で満たし、目標工賃達成指導員はその上に足して数えます。町田市の令和8年度の点検表も、指定基準上の職員配置が常勤換算で6対1以上、かつ、指導員を加えた職員配置が5対1以上、と書いています。

計算の例です(Happiter株式会社の例)。利用者の数が30の事業所なら、6対1で職業指導員と生活支援員は常勤換算5.0以上が要ります。加算は総数6.0(30÷5)以上なので、職業指導員と生活支援員がちょうど5.0なら、目標工賃達成指導員が1.0いれば届きます。指導員が週の半分しか勤務しない(0.5)と、1人以上の要件に足りません。

この形は令和6年度の改定で決まりました。倉敷市の資料(令和6年3月)によると、改定の前は「職業指導員と生活支援員で7.5対1、指導員を加えて6対1」で、6対1の基本報酬の区分ができたのに合わせて「6対1、指導員を加えて5対1」に見直されています。

出典: 留意事項 PDF p.288〜289・p.303、町田市「障害福祉サービス報酬算定(加算・減算)点検表」別紙2(2026〈令和8〉年度 就労継続支援B型)PDF p.5(https://www.city.machida.tokyo.jp/iryo/ninka-shidou/syogai-shidou.files/20260601_shisetu_2_shurouB.pdf)、倉敷市「令和5年度 集団指導資料(就労系)」(令和6年3月。以下「倉敷市の資料」)PDF p.6(https://www.city.kurashiki.okayama.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/004/058/syurokei_siryo_syuseiban.pdf)

目標工賃達成指導員は何をする人か

留意事項は、目標工賃達成指導員を、都道府県が作る工賃向上計画に基づいて自らも工賃向上計画を作り、その計画の工賃目標の達成に積極的に取り組む指導員、としています。例として挙げているのは、国等による障害者就労施設等からの物品等の調達の推進等に関する法律に基づく物品や役務の受注の促進、農福連携など地域と連携した新しい生産活動の開拓、ICT機器などの導入による利用者の生産能力の向上です。

倉敷市の資料は、運営指導での指摘の例を3つ載せています。

指導員の名札だけを付けて現場の応援に回っていると、工賃を上げる仕事は、忙しい日の作業の中に溶けていきます。1日の記録の欄を「作業支援」と「工賃を上げる仕事」に分けておくと、どちらに何時間使ったかが、後から説明できます。

出典: 留意事項 PDF p.303、倉敷市の資料 PDF p.29・p.31

単位数の例:町田市の令和8年度の点検表

利用定員目標工賃達成指導員配置加算(1日)
20人以下45単位
21人〜40人40単位
41人〜60人38単位
61人〜80人37単位
81人以上36単位

同じ点検表は、目標工賃達成加算を1日10単位としています。点検表には、算定単位と要件の詳細は報酬告示などで確かめるよう書かれています。倉敷市の資料にある89単位(20人以下)などは、令和6年度の改定の前の数字です。古い届出の控えや研修資料を見る時は、時点に気をつけてください。

出典: 町田市の点検表 PDF p.1・p.5、倉敷市の資料 PDF p.6

目標工賃達成加算とのつながり

目標工賃達成加算は、目標工賃達成指導員配置加算の対象になる(Ⅰ)(Ⅳ)の事業所が、自ら作った工賃向上計画の工賃目標を達成した時に算定します。岐阜県の資料は、目標工賃達成加算を算定するには目標工賃達成指導員配置加算を算定している必要がある、と補足しています。

工賃目標には下限があります。目標年度の前年度の平均工賃月額に、目標年度の前々年度と前々々年度の全国平均工賃月額の差額を足した額以上であることです。留意事項の例では、令和5年度の平均工賃月額が13,000円の事業所(差額は524円)が、令和6年度の目標を15,000円にして実績が15,500円なら加算、目標が13,100円なら差額の分を上げていないので対象外、実績が14,000円なら未達成で対象外です。

岐阜県は令和6年6月10日の通知で、この式に使う全国平均工賃月額の年度が国の正誤で直され、令和6年4月にさかのぼって適用されたこと、要件を満たさない場合は体制の届出を直して過誤調整の手続きをするよう案内しています。年度の組み合わせは、最新の留意事項の文言で確かめるのが安全です。平均工賃月額そのものの計算の仕方は、B型の報酬区分と単位数の記事にまとめています。

出典: 留意事項 PDF p.303〜305、岐阜県の資料(目標工賃達成加算の取扱いの補足 https://www.pref.gifu.lg.jp/uploaded/attachment/395432.pdf)、岐阜県健康福祉部障害福祉課長「目標工賃達成加算の取り扱いについて」(令和6年6月10日 障第442号 https://www.pref.gifu.lg.jp/uploaded/attachment/402327.pdf)

工賃向上計画と記録をつなげる

この加算は、(Ⅳ)の事業所でも、指導員が工賃向上計画を作っていることが前提です(町田市の点検表も要件の1つめに挙げています)。また、B型の事業所は毎年度、その年度の目標工賃と前年度の工賃実績を利用者に知らせ、都道府県(指定都市・中核市の事業所はその市にも)に届け出ます。

次は、上の資料をもとにした Happiter株式会社 の整理で、国や自治体の様式ではありません。

  1. 計画: 年度の目標工賃と、指導員が受け持つ取り組み(販路・商品・単価・作業の段取り)
  2. 日々の業務記録: 取り組みの中身と、使った時間
  3. 毎月の工賃の記録: 支払った工賃の総額と、利用者の数
  4. 年度末の判定: 実績が目標に届いたか、目標が下限の式を満たしていたか
  5. 人員の記録: 勤務表で、指導員が常勤換算1人以上か、総数が5対1以上か

計画の取り組みの欄を作るなら、工賃向上計画 かんたん作成で1枚にできます。

出典: 町田市の点検表 PDF p.5、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準について」新旧対照表(令和7年3月31日の改正)PDF p.199〜200(厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/001494357.pdf)、倉敷市の資料 PDF p.31
この記事は国の通知と自治体の公表資料を読んで整理したものです。加算の要件・単位数・届出の方法は、資料の時点や自治体で変わることがあります。所在地の指定権者の案内と、最新の報酬告示・留意事項で確認してください。
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茂呂史生
茂呂史生 Happiter株式会社 代表。2005年から訪問介護・放課後等デイサービス・グループホーム・就労支援を自分の手で立ち上げ、4社を経営。著書『世界を変える子どもたち』。

この記事は、国の公表資料をもとにHappiter株式会社が要約したものです。加算の要件と届出の期限は、所在地の指定権者の案内を確認してください。誤りを見つけた方は お問い合わせ からお知らせください。