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個別支援計画の同意を電子で取る|基準の「電磁的方法」と承諾・記録の残し方

2026-10-27書いた人: 茂呂史生(Happiter株式会社)
個別支援計画は、原案を利用者(児童発達支援・放課後等デイサービスは保護者と子ども)に説明し、文書により同意を得て、交付することが基準省令で決まっています。この説明・同意・交付は、相手の承諾を得て、障害の特性に応じた配慮をしつつ、書面に代えて電磁的方法(メールなど電子の方法)で行えます。国の解釈通知は、電子の同意の例として「電子メールにより当該同意の相手方が同意の意思表示をした場合等」を挙げています。電子に切り替える時に先に決めるのは、道具よりも、承諾のもらい方・紙を選べる道・あとから見せられる残し方の3つです。
出典: 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号。以下「障害福祉サービスの基準」)第58条第7項・第8項、第224条(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171)、児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第15号。以下「児童の基準」)第27条第6項・第7項、第83条(https://laws.e-gov.go.jp/law/424M60000100015)

基準省令で決まっていること

決まり障害福祉サービスの基準児童の基準(児発・放デイ)
計画の原案を説明し、文書により同意を得る第58条第7項第27条第6項
計画を交付する(利用者と相談支援事業所/保護者と障害児相談支援の事業者)第58条第8項第27条第7項
書面での作成・保存は、一部を除き電磁的記録でよい第224条第1項第83条第1項
交付・説明・同意は、相手の承諾を得て、障害の特性に配慮しつつ電磁的方法でよい第224条第2項第83条第2項

第58条は療養介護の条文で、生活介護は第93条、就労継続支援B型は第202条、共同生活援助は第213条で準用します。児童の基準の第27条は、放課後等デイサービスに第71条で準用します。

承諾は「交付等の相手方」の承諾なので、計画を交付する相談支援事業所にも、PDFをメールで送ってよいか先に確かめます。基準を条例で定めている自治体もあり、甲府市は令和3年6月に、同じ趣旨の「電磁的記録等」の条文(第264条)を条例に加える議案を出しています。

出典: 障害福祉サービスの基準 第58条・第93条・第202条・第213条・第224条、児童の基準 第27条・第71条・第83条、甲府市 議案第51号(令和3年6月10日提出)PDF p.1〜2(https://www.city.kofu.yamanashi.jp/gijichosa/r0306/documents/3gian_51.pdf)

解釈通知が示す「電子の同意」のかたち

基準の読み方を示した国の解釈通知は、大人のサービスも子どものサービスも、ほぼ同じ文でこう書いています。

大人のサービスの通知は、契約の締結を電子で行う時は電子署名の活用が望ましい、とも書いています(計画への同意とは別の手続きです)。

出典: 障害福祉サービスの基準の解釈通知(平成18年12月6日障発第1206001号)第十七の2(令和7年3月31日改正の新旧対照表 PDF p.253〜257 https://www.mhlw.go.jp/content/001494357.pdf)、児童の基準の解釈通知(平成24年3月30日障発0330第12号)第九の2(令和6年3月29日改正の新旧対照表 PDF p.95〜98 https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/253aba4f-3ce0-4aa1-a777-3d42440f1ca2/0ff3d1f9/20240412_policies_shougaijishien_shisaku_hoshukaitei_53.pdf)

押印と署名欄はどうするか

通知が参考に挙げる「押印についてのQ&A」は、問1で、特段の定めがある場合を除き、契約に当たり押印をしなくても契約の効力に影響は生じない、としています。問6は、文書が本人のものだと示す手段の例として次を挙げています。

電子の同意で「署名欄の代わり」になるのは、誰が・いつ・どの計画に同意したかがわかる記録です。紙で同意をもらう人からは、今までどおり署名をもらいます。押印欄をなくすなど様式を変える前には、所在地の指定権者に確かめます。

出典: 内閣府・法務省・経済産業省「押印についてのQ&A」(令和2年6月19日)問1・問6 PDF p.1・p.4〜5(法務省 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00095.html)

障害の特性への配慮:紙を選べる道を残す

条文は、相手が利用者(子どものサービスは子どもか保護者)の時、障害の特性に応じた適切な配慮を求めています。電子は決まりにせず、選べる形にするのが出発点です(私たちの考え)。

新潟市の集団指導の回答は、意見を表明することが難しい障がい児がいることを考え、言葉による表現だけでなく、身体の動きや表情、発声なども観察し、意見を尊重することが重要、としています。電子にしても、この確かめ方は変わりません。

出典: 障害福祉サービスの基準 第224条第2項、児童の基準 第83条第2項、新潟市「令和7年度指定障がい福祉サービス事業者等集団指導 主な質問と回答一覧」No.17 PDF p.6(https://www.city.niigata.lg.jp/iryo/kenfuku/sidoukansa/syuudansidou/syougaisyuudan.files/r7syougaisyuudansidou_kaitou.pdf)

運営指導で見せられる形で残す

運営指導では、計画のほかに説明・同意・交付の記録が見られます(個別支援計画の見直し期限の記事)。新潟市の回答は、相談支援事業所へ交付した日の記録を「交付を行ったことの確証として」これまでどおり行うよう求め、相談支援事業所への交付は作成後速やかに送付すればよい、としています。残す物は次の4つです(私たちの例)。

残す物中身
承諾の記録承諾の日・承諾した人・使う方法(メールなど)とファイルの形式(PDFなど)。紙に戻した日も
送った計画送ったPDFそのもの。ファイル名に利用者・作成日・版を入れる
同意の返信返信のメール(アドレス・本文・日時)。本文に計画の作成日か版を書いてもらう
交付の記録交付した日・相手(本人や保護者/相談支援事業所)・方法

メールの「OKです!」は気持ちのよい返事ですが、どの計画へのOKかが書いていないと、半年後の見直しで自分が困ります。保存も電磁的記録でよく、解釈通知は、ファイルに記録する方法と、紙をスキャナ等で読み取って保存する方法を示しています。見られる人を決めたフォルダに、利用者ごとにまとめます。何年残すかと条例の確かめ方は、記録の保存期間の記事にまとめています。説明・同意・交付の記録の欄をそろえるなら、会議記録・モニタリング記録のひな形も使えます。

出典: 新潟市 前掲 No.7 PDF p.3・No.15 PDF p.5、障害福祉サービスの基準 第224条第1項、児童の基準 第83条第1項、児童の基準の解釈通知 前掲 第九の2(1) PDF p.95
この記事は国と自治体の公表資料を読んで整理したものです。電子での同意・交付のやり方は、所在地の指定権者(都道府県・指定都市・中核市など)の集団指導資料・通知で確認してください。
資料2点を、メールで受け取る(無料)
「通知が来てから当日までの段取り表」と「確認される書類の一覧(7サービス)」を、メールアドレスだけで受け取れます(数分以内にURLをお届けします)。
資料2点を、メールで受け取る(無料)
運営指導の、通知が来てからの段取り表と、確認される書類の一覧(7サービス)。
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茂呂史生
茂呂史生 Happiter株式会社 代表。2005年から訪問介護・放課後等デイサービス・グループホーム・就労支援を自分の手で立ち上げ、4社を経営。著書『世界を変える子どもたち』。

この記事は、国の公表資料をもとにHappiter株式会社が要約したものです。電子での同意・交付の方法は、利用者の承諾を得たうえで、所在地の指定権者の案内を確認して決めてください。誤りを見つけた方は お問い合わせ からお知らせください。