グループホームの収支シミュレーション——基本報酬と加算の読み方(令和6年度)
出典: 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」(令和6年2月6日。以下「改定の概要」)p.43・別紙1 p.136(https://www.mhlw.go.jp/content/001216035.pdf)
基本報酬は入居者の障害支援区分で決まる
| 区分 | 1日あたりの単位数(世話人6:1) |
|---|---|
| 区分6 | 600単位 |
| 区分5 | 456単位 |
| 区分4 | 372単位 |
| 区分3 | 297単位 |
| 区分2 | 188単位 |
| 区分1以下 | 171単位 |
令和6年度改定で、世話人の配置(4:1〜6:1)ごとに分かれていた基本報酬は6:1以上の1つにまとめられ、基準より多く置いた分は人員配置体制加算で評価する形になりました。令和8年度の報酬算定構造でも、この単位数は同じです。
住居の入居定員が8人以上だと、大規模住居等減算で所定単位数に95/100をかけます(21人以上は93/100)。
出典: 改定の概要 p.43・別紙1 p.136、厚生労働省「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」(令和8年度。以下「算定構造」)p.13(https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001658031.pdf)
令和8年6月以降の新規指定は×0.972
令和8年6月1日以降に新規指定された介護サービス包括型・日中サービス支援型は、令和9年度報酬改定までの間、基本報酬が所定単位数の1000分の972です。
重度障害者支援加算などを算定する利用者の基本報酬、離島・中山間地域の事業所、自治体が公募や補助で設置する事業所などは、従前の単価です。くわしくは新規指定の基本報酬の特例の記事に。
出典: 厚生労働省「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定における改定事項について」(令和8年2月18日。以下「改定事項」)p.19・p.21(PDF p.20・p.22)(https://www.mhlw.go.jp/content/001680064.pdf)
加算が収入に占める大きさ
- 夜間支援等体制加算: 夜間の体制で分かれます。(Ⅰ)は夜勤職員を置く場合、(Ⅱ)は宿直職員を置く場合、(Ⅲ)は常時の連絡体制または防災体制を確保する場合、(Ⅳ)〜(Ⅵ)は事業所単位で夜勤・宿直を追加で置く場合です
- (Ⅰ)の大きさ: 夜間支援対象利用者の数と区分で1日の単位数が決まり、7人なら区分4以上192単位・区分3は160単位・区分2以下128単位です。区分3・4の入居者では、基本報酬の5割強にあたります(夜勤者の人件費は別にかかります)
- 人員配置体制加算: 基準の人員に加えて世話人・生活支援員を置いた場合。加配12:1以上の(Ⅰ)は区分4以上83単位・区分3以下77単位、30:1以上の(Ⅱ)は33単位・31単位(1日あたり)
- 福祉・介護職員等処遇改善加算: 処遇改善加算を除く加減算後の総単位数に、加算率をかけます。介護サービス包括型は令和8年6月から12.1%(Ⅳ)〜16.9%(Ⅰロ)で、職員の賃上げのための加算です
対象人数や加配の数え方など、要件の細部は指定権者の手引きで確かめてください。
出典: 厚生労働省・こども家庭庁「共同生活援助に係る報酬・基準について≪論点等≫」(障害福祉サービス等報酬改定検討チーム 第40回 資料2、令和5年10月23日)p.8(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001159437.pdf)、算定構造 p.13〜15、改定の概要 別紙5 p.193、改定事項 p.3(PDF p.4)
家賃・食材料費は報酬と別、補足給付は月1万円まで
- 入居者から受け取る費用: 利用者負担額のほかに、食材料費・家賃・光熱水費・日用品費などを受け取れます。あらかじめ内容と費用を説明し、同意を得ます(基準省令 第210条の4)
- 家賃の補足給付: 生活保護または低所得の世帯の入居者が負担する家賃に、1人あたり月額1万円を上限に補足給付があります(家賃が1万円未満なら実費)。事業者が代わりに受け取った分は、入居者から受け取る家賃から差し引きます
- 食材料費は利益にしない: 受け取った食材料費を入居者のために使わず、ほかの費目に回したり事業者の収益にしたりすることは、指定基準の違反で、経済的虐待に当たる可能性があると国は示しています
収支計画では、家賃と食材料費を「入って、そのまま出ていくお金」として、報酬と分けて書きます。
出典: 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号。以下「基準省令」)第210条の4(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171)、厚生労働省「障害者の利用者負担」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/hutan1.html)、報酬改定検討チーム 第40回 資料2 p.44
区分の構成で、月の収入はどう変わるか(定員7・稼働率90%)
条件は、定員7人・稼働率90%・30日・1単位10円(地域区分「その他」)です。計算式は「7人の1日の単位数の合計×0.9×30日×10円」で、基本報酬だけを見ます。
| 項目 | 区分3中心 | 区分4中心 |
|---|---|---|
| 入居者7人の区分 | 区分2×2・区分3×4・区分4×1 | 区分3×2・区分4×4・区分5×1 |
| 1日の単位数(7人の合計) | 188×2+297×4+372×1=1,936単位 | 297×2+372×4+456×1=2,538単位 |
| 1か月の単位数(×0.9×30日) | 52,272単位 | 68,526単位 |
| 1か月の基本報酬(×10円) | 522,720円 | 685,260円 |
| 新規指定の特例(×0.972) | 約50.8万円 | 約66.6万円 |
| 生活支援員の必要数(常勤換算) | 4÷9+1÷6=約0.61人 | 2÷9+4÷6+1÷4=約1.14人 |
差は月約16.3万円、年約195万円です(試算・端数処理は省略)。生活支援員は、区分3の人数÷9、区分4÷6、区分5÷4、区分6÷2.5の合計以上を置くので、区分4中心では約0.53人分多く要ります。世話人は、どちらも7÷6=約1.17人以上です。新規指定の時は、利用者の数を推定数で数えます。
出典: 改定の概要 別紙1 p.136・p.188(地域区分「その他」は上乗せ0%)、基準省令 第208条
資金計画で見落とす費用
- 最初の入金まで: 報酬は、提供した月の翌月10日までに電子請求し(名古屋市の例)、請求した月の翌月15日(原則。東京都国保連の令和8年度)に支払われます。開所した月の分が入るのは翌々月です
- 空室の家賃: 物件の家賃は、入居者がそろう前から払います。入居者から受け取る家賃は、入居した人の分だけです
- 開所時からの人員: 世話人・生活支援員・サービス管理責任者(入居者30人以下で1人以上)は、入居者が少ない月も要ります
- 夜勤・宿直の人件費: 夜間支援等体制加算を見込むなら、その体制の人件費を支出に入れます
- 非常災害への備え: 消火設備その他の設備、具体的な計画、定期的な避難・救出の訓練が要ります(第70条を第213条で準用)
- 地域連携推進会議: おおむね1年に1回以上の運営状況の報告と見学の機会(令和7年度から義務)。準備の時間を見ておきます
開業資金の全体の数え方は、グループホームの開業資金の記事にまとめています。
出典: 名古屋市「指定障害福祉サービス事業者等ガイドブック2024」第2章 報酬請求編 p.82(https://www.kaigo-wel.city.nagoya.jp/view/wel/docs_jigyosya/2024112900018/file_contents/guide2024chapter2.pdf)、東京都国民健康保険団体連合会「令和8年度障害福祉サービス費等の支払日について」(https://www.tokyo-kokuhoren.or.jp/receipt_payment/kanri/6_r8_shogai_payment_date_list.pdf)、基準省令 第70条・第213条、改定の概要 p.45
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グループホーム(介護サービス包括型・区分3・世話人6:1の基本報酬)を選び、定員・稼働率・職員数・家賃と加算の割合を動かすと、月の手残りの目安がその場で出ます。令和8年6月以降の新規指定の特例(97.2%)で計算するスイッチもあります(登録なしで使えます)。
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この記事は、国の公表資料をもとにHappiter株式会社が要約したものです。金額は仮の条件での試算です。加算の要件・地域区分・指定の可否は、所在地の指定権者の案内で確認してください。誤りを見つけた方は お問い合わせ からお知らせください。
