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最低賃金2026の発効日|A型の利用者賃金と職員の時給

2026-10-27書いた人: 茂呂史生(Happiter株式会社)
令和8年度(2026年度)の地域別最低賃金は、全国加重平均で1,177円(改定前1,121円)です。発効日は都道府県ごとに違い、2026年10月27日の時点で、青森・高知(10月29日)、山形(10月30日)、山梨・徳島・愛媛・大分(11月1日)、長崎(11月2日)、佐賀(11月15日)、京都(11月16日)、岩手・熊本(12月1日)、沖縄(12月2日)の13府県は、まだ発効していません。就労継続支援A型で雇用契約を結んだ利用者は労働基準法上の労働者なので、最低賃金が適用されます。下回る額で払えるのは、都道府県労働局長の減額の特例許可を受けた人だけです。発効日までに、A型の利用者の賃金と職員の時給で確かめることを、厚生労働省の一覧と法令で整理します。
出典: 厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/)、同『令和8年度 地域別最低賃金 全国一覧』(https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001753404.pdf)、厚生労働省 障害福祉課長通知『就労継続支援事業利用者の労働者性に関する留意事項について』(平成18年10月2日 障障発第1002003号。以下「留意事項通知」)(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb4762&dataType=1&pageNo=1)

令和8年度の地域別最低賃金と発効日

厚生労働省の一覧の金額(時間額)と発効日を、発効日の順に並べ直しました。発効日はどれも令和8年(2026年)です。

発効日都道府県と改定後の額(円)
10月1日北海道1,131・宮城1,098・栃木1,125・埼玉1,196・千葉1,195・東京1,280・神奈川1,279・新潟1,108・富山1,119・岐阜1,121・愛知1,195・三重1,143・大阪1,231・兵庫1,172・香川1,092
10月2日長野1,117・岡山1,104
10月3日群馬1,120・石川1,113・滋賀1,136・和歌山1,101・鳥取1,090
10月4日福井1,112・奈良1,107・福岡1,114
10月8日〜18日山口1,101(8日)・島根1,092(10日)・広島1,141(11日)・秋田1,090(14日)・静岡1,154(15日)・福島1,094(16日)・茨城1,136(18日)
10月24日・25日宮崎1,085(24日)・鹿児島1,090(25日)
10月29日・30日青森1,090・高知1,086(29日)・山形1,092(30日)
11月1日山梨1,113・徳島1,103・愛媛1,093・大分1,096
11月2日〜16日長崎1,087(2日)・佐賀1,095(15日)・京都1,180(16日)
12月1日・2日岩手1,090・熊本1,092(1日)・沖縄1,086(2日)

いちばん高いのは東京都の1,280円、いちばん低いのは宮崎県の1,085円です。最低賃金法第14条は、地域別最低賃金の改正の決定は、公示の日から起算して30日を経過した日(決定で別に定める日があればその日)から効力を生ずる、としています。

出典: 厚生労働省の一覧、最低賃金法(昭和34年法律第137号)第14条(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000137)

A型の利用者は雇用契約:最低賃金が適用される

基準省令第190条第1項は、A型の事業者に、利用者と雇用契約を結ぶことを求めています。留意事項通知は、A型の利用者(雇用有)を労働基準法上の労働者とし、雇用するにあたって労働基準関係法令を守ること、雇用労働者に最低賃金の減額の特例を行う場合は所定の様式を使うことを求めています。この利用者の労働基準関係法令に関する苦情・疑義への対応は、労働基準監督署が行います。

雇用契約を結ばないA型の利用者(第190条第2項。多機能型でB型を一体的に行う事業者は除く)とB型の利用者には、生産活動の収入から必要な経費を引いた額を工賃として払います。工賃の月の平均額は、どちらも3,000円を下回ってはならない、とされています(第192条第3項・第5項、第201条第1項・第2項)。同じ事業所の中でも、最低賃金と工賃は別の決まりで動きます。

出典: 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号。以下「基準省令」)第190条・第192条・第201条(https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171)、留意事項通知 1・3

下回る額で払えるのは、減額の特例許可を受けた人だけ

最低賃金法第7条は、使用者が都道府県労働局長の許可を受けた時に、「精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者」などについて、最低賃金額から、労働能力その他の事情を考えた率を掛けた額を減額した額で第4条を適用する、としています。許可申請書(様式第1号)は、事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長を経由して出します(施行規則第4条)。厚生労働省の記入要領は、次の点に注意を求めています。

出典: 最低賃金法 第7条、最低賃金法施行規則 第4条・第5条(https://laws.e-gov.go.jp/law/334M50002000016)、厚生労働省「最低賃金の減額の特例許可申請書様式・記入要領」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/chingin/newpage_43849.html)、同『最低賃金の減額の特例許可申請について ~「精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者」(最賃法第7条第1号)~』(以下「記入要領」)PDF p.1〜2(https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001308567.pdf)

職員の時給・月給も、時間額にして比べる

最低賃金法第4条は、最低賃金額に達しない賃金を定めた労働契約は、その部分を無効とし、最低賃金と同様の定めをしたものとみなします。地域別最低賃金を守らなかった時の罰則は、50万円以下の罰金です(第40条)。月給の職員は、月給を月の所定労働時間数(月によって違う時は1年間の1か月平均)で割り、日給は1日の所定労働時間数で割って、時間額にしてから比べます(施行規則第2条)。

比べる賃金に入れないものもあります。臨時に支払われる賃金、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金、所定労働時間を超える労働・所定労働日以外の労働・深夜の割増部分です(施行規則第1条)。記入要領は、精皆勤手当・家族手当・通勤手当なども除かれる賃金に挙げています。

たとえば(架空の例)、東京都の事業所で、除かれる手当を引いた月給が19万円、1年間の1か月平均の所定労働時間が160時間の職員は、19万円÷160時間=1,187.5円で、東京都の1,280円を下回ります。給与ソフトの時給の欄は、ニュースで最低賃金が報じられても、自分では書き換わりません。

出典: 最低賃金法 第4条・第40条、最低賃金法施行規則 第1条・第2条、記入要領 PDF p.2

発効日の前に確かめること(私たちの整理)

  1. 事業所のある都道府県の額と発効日を、厚生労働省の一覧で確かめる(県をまたいで事業所があれば県ごとに)
  2. A型の利用者とパート職員の時給の表、雇用契約の賃金の欄を、発効日から新しい額以上にする。発効日以後の労働から新しい額になるので、賃金の締め日の途中で発効する時は、前と後の労働時間を分けて計算する
  3. 月給・日給の職員を時間額にして比べる
  4. 減額の特例許可を受けている利用者がいれば、許可された業務と減額率を確かめ、許可された業務以外に就く日がないかを見る
  5. A型は、生産活動の収入から必要な経費を引いた額が、利用者に払う賃金の総額以上になるかを試算し直す(基準省令第192条第2項)。賃金に自立支援給付を充てることは、災害その他やむを得ない理由がある場合を除いてできない(同第6項)
  6. 最低賃金の概要を、作業場の見やすい場所への掲示などで労働者に周知する(最低賃金法第8条)

A型の運営指導で、雇用契約・賃金・生産活動の収支の書類がどう見られるかは、A型の運営指導の記事にまとめています。

この記事は国の公表資料と法令を読んで整理したものです。金額と発効日は厚生労働省の地域別最低賃金の一覧と所在地の都道府県労働局の案内で、減額の特例許可は所轄の労働基準監督署で確認してください。
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茂呂史生
茂呂史生 Happiter株式会社 代表。2005年から訪問介護・放課後等デイサービス・グループホーム・就労支援を自分の手で立ち上げ、4社を経営。著書『世界を変える子どもたち』。

この記事は、国の公表資料をもとにHappiter株式会社が要約したものです。金額と発効日は、厚生労働省の地域別最低賃金の一覧と所在地の労働局の案内を確認してください。誤りを見つけた方は お問い合わせ からお知らせください。