性暴力防止の研修教材と規程の参考例|放デイ・児発での使い方
出典: こども家庭庁「こども性暴力防止法に基づく措置を行うに当たって活用できる各種ひな型・参考例 リンク集」(以下「リンク集」)(https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety/efforts/koseibouhou/hinagata)、こども家庭庁「こども性暴力防止法に基づく従事者向け研修教材」(https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety/efforts/koseibouhou/jujisya)、こども家庭庁「こども性暴力防止法施行(12月25日)に向けた義務事業者用準備ガイド Ver.1.2」(以下「準備ガイド」)(https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/80127231-8582-476e-a6e7-9347e725ed96/51c45b26/20261023_policies_child-safety_efforts_koseibouhou_106.pdf)、こども家庭庁『こども性暴力防止法施行ガイドライン』PDF p.39(図表4)(https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/80127231-8582-476e-a6e7-9347e725ed96/abc50df0/20260901_policies_child-safety_efforts_koseibouhou_72.pdf)
国のひな型・参考例と、ページの更新日
リンク集は、参考例を「施行前から整備・対応することが望ましい事項」と、施行時(義務対象事業者の場合)までに「作成が必要な書類」に分けて載せています。
| 区分 | 参考例(形式) | 更新の表記 |
|---|---|---|
| 施行前から望ましい | 募集要項・求人票参考例(Word) | 令和8年9月2日に更新 |
| 施行前から望ましい | 誓約書・内定通知書参考例(Word) | 令和8年9月2日に更新 |
| 施行前から望ましい | 就業規則参考例(Word) | 表記なし |
| 施行前から望ましい | 保護者向け周知用資料ひな型、児童等向け周知用資料(相談後のフロー)ひな型(中高生向け・小学生(高学年)向け・小学生(低学年)向け)(PPT) | 表記なし |
| 施行時までに作成 | 報告ルールひな型(Word) | 令和8年7月27日に更新 |
| 施行時までに作成 | 対応ルールひな型(Word)と【別紙】対応フローひな型(PPT) | 対応ルールは令和8年10月7日に更新 |
| 施行時までに作成 | 情報管理規程ひな型①〜③(Word)、様式案(取扱記録)(Excel) | ③と取扱記録は令和8年9月2日に更新 |
児童対象性暴力等対処規程のひな型も並んでいますが、これは認定を申請する事業者向けで、義務対象事業者は作る必要がないとページに書かれています。ボランティアやスポットワークの人と、再び従事する可能性がある期間(上限6か月)を確かめ合う「意向確認書面作成例」もあります。
準備ガイドの「基本的な考え方」の表では、報告・対応ルールの策定と周知、相談体制の整備、情報管理規程の作成は、どれも「施行時点で実施済みでないこと自体が法違反にあたります」とされています。募集要項と誓約書の参考例は、内定の取消しが有効と認められるよう、採用の過程で性犯罪歴がないことを書面で確かめ、取消しの事由を先に示しておくための物です。
情報管理規程は、犯罪事実確認書を見るのが責任者1人か複数か、専用のシステムの外でも記録・保存するかで、3つのひな型から選びます。責任者1人だけがシステムの上で確かめ、ほかに記録・保存しない事業所なら①です。準備ガイドは、犯罪事実確認書の内容の記録・保存を極力避けることを基本原則に挙げています。
出典: リンク集(前掲)、準備ガイド PDF p.7(採用募集要項)・p.14(情報管理規程)・p.16(基本的な考え方)
「不適切な行為」の範囲を職員と決める
準備ガイドは、性暴力には当たらないが業務上必要とは言えず、続けたり発展したりすると性暴力につながる可能性がある行為を「不適切な行為」として定め、その段階で皆で注意して防ぐことを求めています。例として挙がっているのは次の5つです。
- こどもとSNS上で私的なやり取りを行う
- 私的な端末で、こどもの写真を業務外の目的で撮影する
- こどもと二人きりで私的に会う
- 不必要な身体接触(おむつの中に手を入れて排せつを確認するなど)を行う
- 特定のこどもばかり理由なく担当しようとする
同じページには、不適切かどうかは事業内容、こどもの発達段階や特性、現場の状況によって変わり得るもので、全ての事業者で一律に不適切と判断されるものではない、とも書かれています。外から見て例に当てはまる行為を必要な業務として行う時は、事前にルールを定めて対応します。放デイ・児発には、排せつや着替えの介助、写真での記録など、例と形が似る業務が日常にあります。誰が・どこで・どう行うかを職員と話して決め、その範囲を就業規則等に定めて、職員だけでなく、こどもと保護者にも周知します。
就業規則の見直しで定める事項として、準備ガイドは、対象業務従事者の範囲、児童対象性暴力等と不適切な行為の禁止、犯罪事実確認の手続に応じる義務、試用期間の解約事由、懲戒事由を挙げています。送迎の運転手や事務職員は、業務の実態が支配性・継続性・閉鎖性の3要件を満たす時に対象です。研修の手引きのFAQは、運転手が一人で送迎し、会話などでこどもと接することが想定される場合を例に挙げています。
出典: 準備ガイド PDF p.4〜6、こども家庭庁「こども性暴力防止法に関する研修の手引き」(以下「手引き」)PDF p.19(https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/cdf17aee-39d7-4257-8963-9b1daae56009/13856530/20260415_policies_child-safety_efforts_koseibouhou_jigyousya_04.pdf)
従事者向けの研修教材と、計画・記録の様式
| 教材 | 中身 | 更新の表記 |
|---|---|---|
| 標準動画(約90分) | 原則としてこれを受講 | − |
| 研修資料(PDF) | 標準動画の解説・補足 | 令和8年10月28日に更新 |
| 要点動画(約17分) | 不定期・短期間で従事する人など | − |
| 演習資料(PPT) | 演習の題材と解説 | 令和8年9月15日に更新 |
| 確認テスト(Excel) | 受講後の知識の定着の確認 | − |
| 研修の手引き(PDF)と様式(研修実施計画書・研修受講記録) | 研修の企画・運営の担当者向け | − |
研修は座学と演習を組み合わせます。手引きでは、演習に、不適切な行為の具体的な内容を理解させることと、疑いが生じた時に取るべき行動(こども・保護者や他の職員から相談を受けた時)をシミュレートすることを必ず含めます。動画を見て一人で取り組む形も可能ですが、標準研修ではできる限り集団での演習が大事とされています。施行の時に今いる職員には、原則として施行前に受講させます。
受講の記録は、手引きの参考様式の受講管理表が、職員番号・氏名・職位/職種・従事開始日・受講方法・受講完了日の欄を持ち、研修区分(任意/法定(8条等)など)と受講形式(標準/要点/独自など)を書く形です。この様式を必ず使う決まりはありません。施行後はこども家庭庁への年1回の定期報告で、研修を受講させているかも報告します。他の事業者で受講済みの人にも、改めて受講させる必要があります。約90分の標準動画を送迎の合間に分けて見ると、どこまで見たかは本人の記憶頼みになりがちで、受講完了日の欄がその記憶の代わりになります。
出典: 従事者向け研修教材のページ(前掲)、準備ガイド PDF p.12・p.15・p.16、手引き PDF p.6・p.8・p.13・p.19・p.21
保護者・こどもへの周知と、運営指導で見られる書類
保護者向け周知用資料ひな型は、性被害の相談先や「不適切な行為」の範囲などを事業者ごとに書き込んでから使う前提です。児童等向けの資料は、相談した後どうなるかを示すもので、中高生・小学生(高学年)・小学生(低学年)の3種類があります。準備ガイドは、相談窓口の周知に、こどもの発達段階や特性を踏まえた工夫を求め、障害児の場合は地方公共団体の障害者福祉課等や自立支援協議会も相談窓口となり得る、としています。放デイ・児発なら、年齢で版を選ぶのに加えて、絵や短い言葉に直すのも一つの方法です。
令和8年10月1日に改正された国の指導監査の通知では、放デイ・児発の確認文書に、研修を受講させたことがわかる資料(受講者名簿等)、相談員または相談窓口の設置と周知がわかる資料(事業者のHPの画面、パンフレット等)、早期把握のための措置に関する資料(面談記録、アンケート等)が並びます。参考例と教材で作った物は、そのまま運営指導で見せる書類になります。
出典: リンク集(前掲)、準備ガイド PDF p.9〜10、「指定障害児通所支援事業者等の指導監査について」(令和8年10月1日改正)PDF p.37〜38(児童発達支援)・p.109〜110(放課後等デイサービス)(厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/261002-1.pdf)
この記事は、こども家庭庁と厚生労働省の公表資料を読んで整理したものです。参考例は自分の事業所に合わせて直して使います。ひな型と教材は更新されることがあるので、最新版はこども家庭庁のページで確認してください。
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この記事は、国の公表資料をもとにHappiter株式会社が要約したものです。参考例は自分の事業所に合わせて直して使います。最新版はこども家庭庁のページで確認してください。誤りを見つけた方は お問い合わせ からお知らせください。
