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常勤換算の計算方法|障害福祉の人員基準と加算での数え方

2026-10-26書いた人: 茂呂史生(Happiter株式会社)
常勤換算は、事業所の職員の勤務延べ時間数を、その事業所で常勤の従業者が勤務すべき時間数で割り、職員の数を「常勤なら何人分か」に直す数え方です。定義は国の基準省令の第2条にあり、栃木県の手引きは、結果を小数点第2位以下切り捨てとし、常勤の時間が週32時間を下回る場合は32時間を基本と示しています。割り算は1回で終わります。運営指導や加算の届出でずれるのは、有給休暇・兼務・育児や介護の短時間勤務・加配の数え方です。間違えやすい所から、資料の文言どおりに整理します。
出典: 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号。以下「基準省令」)第2条第16号(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171)、栃木県「指定基準の手引き Ⅱ-3 人員配置に係る用語の定義」PDF p.2〜3(https://www.pref.tochigi.lg.jp/e05/welfare/shougaisha/service/sitei/documents/20251029144801.pdf)

計算式と、1人分の上限

基準省令 第2条第16号は、常勤換算方法を「事業所の従業者の勤務延べ時間数を当該事業所において常勤の従業者が勤務すべき時間数で除することにより、当該事業所の従業者の員数を常勤の従業者の員数に換算する方法」と定めています。栃木県の手引きの説明は次のとおりです。

用語手引きの説明手引き
常勤換算数従業者の勤務延べ時間数 ÷ 常勤の従業者が勤務すべき時間数。小数点第2位以下を切り捨てPDF p.2
勤務延べ時間数勤務表上、サービスの提供に従事する時間、または提供のための準備等を行う時間(待機の時間を含む)として明確に位置づけられている時間の合計PDF p.4
1人分の上限1人につき算入できるのは、常勤の従業者が勤務すべき時間数までPDF p.4

架空の事業所で計算してみます。常勤の従業者が勤務すべき時間数は、4週で160時間です。

職員数え方4週の時間
Aさん(常勤)170時間働いたが、上限で数える160時間
Bさん(パート)そのまま80時間
Cさん(パート)そのまま60時間
合計—300時間

300時間÷160時間=1.875で、小数点第2位以下を切り捨てて1.8です。Aさんの残業10時間は、どれだけ頑張っても常勤換算には入りません。

分母の「常勤の時間」は就業規則で決まる

常勤換算の分母は、就業規則を書いた日に決まっています。勤務表の側でいくら工夫しても、分母は動きません。開設の前や規則を見直す時に、人員基準と並べて決めておくのが近道です。

出典: 栃木県 手引き PDF p.3・p.6、香川県「人員基準における両立支援への配慮等【全サービス】」(参考)常勤非常勤及び専従兼務の考え方 PDF p.2(https://www.pref.kagawa.lg.jp/documents/21060/210330_zyokin_kangaekata.pdf)

育児・介護の短時間勤務の職員

香川県の資料は、見直し後の扱いとして次の4つを挙げています。

  1. 育児・介護休業法による育児の短時間勤務制度に加えて、介護の短時間勤務制度等を利用する場合も、週30時間以上の勤務で「常勤」として扱う
  2. 常勤換算の計算でも、短時間勤務制度等を利用する職員は、週30時間以上の勤務で1(常勤)と扱う
  3. 常勤での配置が求められる職員が産前産後休業や育児・介護休業等を取った時は、同等の資質を持つ複数の非常勤職員を常勤換算して、人員基準を満たしてよい
  4. 3の場合、常勤職員の割合が要件の加算(福祉専門職員配置等加算など)では、休業を取った職員も常勤職員の割合に含めてよい

計算では、短縮措置の対象者の時間をほかの職員の勤務延べ時間数に足さず、別に1.0人と数えてよい、とされています。先の例に、育児の短時間勤務で週30時間働くDさんが加わると、1.8+1.0で2.8です。ただし同じ資料は、常勤看護職員等配置加算の「常勤換算方法で1以上」の要件は、この扱いでは満たさないとしています。加算によっては別の物差しがある、と覚えておきます。

出典: 香川県 資料 PDF p.1・p.4

休暇・出張・月の途中の入退職

香川県の資料は、勤務表を作る時の留意点を次のように示しています。

場面扱い対象
有給休暇・出張で事業所にいない日常勤は出勤するものとして勤務時間を書く。非常勤は勤務しないものとして書かない全員
祝日など事業所の休業日その日の時間は書かなくてよく、4週の合計が少ないままでよい常勤
月の途中の入職・退職在職中は常勤として扱うが、その月の常勤換算は、勤務した時間で非常勤と同じ方法で計算する常勤
産休・育休などで暦月で1月以上勤務しない常勤換算に含めない。勤務時間0で氏名を載せ、運営規程等の員数に含めてよい全員

法人では常勤で雇っていても、ほかの事業所と兼任していて勤務体制上は「非常勤」の職員が有給休暇を取った時は、休んだ時間を常勤換算に入れられない点にも注意します。

出典: 香川県 資料 PDF p.4

兼務の時間の数え方

出典: 香川県 資料 PDF p.3

加配の加算で「常勤換算が足りない」と言われる例

放課後等デイサービス・児童発達支援の児童指導員等加配加算は、基準の員数に加えて1名以上を、区分に応じて常勤専従か常勤換算で置く加算です。国の留意事項通知は、児童指導員等とその他の従業者のように異なる職種を合わせて常勤換算で1名以上にしてもよいが、その時は低い方の区分(たとえば経験5年以上と5年未満の児童指導員等で1名なら、5年未満の区分)で算定する、としています。また、加算の対象の職員は、サービス提供時間帯を通じて事業所で直接支援にあたることが基本です。放課後等デイサービスは、児童発達支援の扱いを準用します。

新潟市の集団指導資料は、算定できない例を挙げています。

  1. 基準人員に欠員がある: 児童指導員または保育士の「営業時間を通じて必要な人数」と「うち一人以上は常勤」を満たさない日や、児童発達支援管理責任者がいない期間は、加配がいても算定できない
  2. 定員を超えた日がある: 加配に充てる予定の職員を基準人員に回し、月単位で1以上の配置を満たせない時は算定できない
  3. 専門的支援体制加算も算定する: さらにもう1以上(常勤換算)の配置が要る
  4. 届出の数え方: 届出書の「従業者の総数」は実人数で、常勤換算ではない

新潟市は、加配が基準人員に加えて確実に1以上あるかを確かめるために、勤務形態一覧表を基準人員と加配人員に分けて作るよう求めています。同じ職員の同じ時間を、基準と加配の両方に数えていないか。届出の前に、まずこの1点を見直します。

出典: 「児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成24年3月30日障発0330第16号。最終改正 令和8年3月31日こ支障第88号)第二の2の(1)の④ PDF p.27〜28、(3)の② PDF p.53(こども家庭庁 https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/2c5e1bb4-ee80-462b-992f-06f0d8c9b774/4aacbf83/20260402_policies_shougaijishien_shisaku_r8hoshukaitei_17.pdf)、新潟市「令和6年度 報酬改定の主な変更内容 障害児支援」(令和6年度 指定障がい福祉サービス事業者等集団指導)PDF p.5・p.7・p.8・p.10・p.11(https://www.city.niigata.lg.jp/iryo/kenfuku/sidoukansa/syuudansidou/syougaisyuudan.files/R6syougaiziyomigenari.pdf)

届出の前に確かめる5つ

  1. 就業規則の常勤の時間(分母)が決まっていて、週32時間を下回っていないか
  2. 勤務表で、提供・準備・待機の時間が明確に位置づけられているか
  3. 1人分の上限、有給休暇・出張、月の途中の入退職を、常勤と非常勤で分けて数えているか
  4. 基準人員を先に満たし、残りの時間で加配を数えているか
  5. 短時間勤務の職員を1.0と数える扱いが、その加算でも使えるか
この記事は国と自治体の公表資料を読んで整理したものです。常勤の時間・短時間勤務の扱いや加算の算定の可否は、指定権者(都道府県・指定都市・中核市など)が判断します。所在地の指定権者の手引き・集団指導資料で確認してください。
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茂呂史生
茂呂史生 Happiter株式会社 代表。2005年から訪問介護・放課後等デイサービス・グループホーム・就労支援を自分の手で立ち上げ、4社を経営。著書『世界を変える子どもたち』。

この記事は、国の公表資料をもとにHappiter株式会社が要約したものです。常勤の勤務時間や短時間勤務の扱いは、所在地の指定権者の案内を確認してください。誤りを見つけた方は お問い合わせ からお知らせください。