放デイの総量規制とは|新規指定を受けられない地域の確認
出典: 児童福祉法 第21条の5の15(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164)、児童福祉法施行規則 第18条の30の2(https://laws.e-gov.go.jp/law/323M40000100011)
総量規制の仕組み:計画の量に達したら「指定をしないことができる」
児童福祉法第21条の5の15は、放デイなど内閣府令で定める障害児通所支援(特定障害児通所支援)の指定は、その量を定めてする、としています(第2項)。そのうえで第5項は、申請のあった区域の量が、都道府県障害児福祉計画で定める必要な量にすでに達しているか、その指定で超えると認める時、そのほか計画の達成に支障が出るおそれがあると認める時は、指定をしないことができる、としています。
- 対象のサービス: 児童発達支援(肢体不自由のある児童に治療を行うものを除く)と放課後等デイサービス(施行規則第18条の30の2)
- いつから: 国の資料では、児童発達支援・放デイ・障害児入所施設が対象になったのは平成30年度から
- 判断の目安: 区域のサービスの量(実績)が、計画で定める区域の必要な量の見込み以上になっているか
- 裁量: 「しないことができる」なので、かけるかどうかは指定権者が決めます。国の資料も、あくまで指定権者に裁量がある、と書いています
人員や設備の基準を満たしていても、規制がかかっている区域では指定を受けられないことがある。ここが、ほかの指定の要件と違う所です。
出典: 厚生労働省・こども家庭庁「地域差の是正・指定の在り方に係る対応について」(社会保障審議会障害者部会 第153回・こども家庭審議会障害児支援部会 第17回 資料2、令和7年12月8日。以下「国の資料」)PDF p.6・p.8(https://www.mhlw.go.jp/content/12201000/001605808.pdf)
令和6年4月から:市町村の意見と、指定に付く条件
同じ条の第6項〜第8項で、関係する市町村長は、都道府県知事に、指定をする前に通知するよう求めることができ、通知を受けたら市町村の障害児福祉計画との調整の見地から意見を出せます。都道府県知事はその意見を勘案して、指定に条件を付けることができます。国の資料は、市町村が意見を申し出るこの仕組みを令和6年4月からのものとして説明し、条件の例に次のようなものを挙げています。
- 計画に書いたニーズを踏まえ、サービスを提供する地域や定員の変更(制限や追加)を求める
- 中重度の障害児者や、ある障害種別の受け入れ体制が足りない時、職員の研修参加や人材確保など受け入れの準備を求める
- サービスが不足している近隣の市町村の障害児者にも提供する
規制がかかっていない地域でも、条件付きで指定される場合がある、ということです。
出典: 児童福祉法 第21条の5の15第6項〜第8項、国の資料 PDF p.7
国の動き:利用者の割合が高い市町村に活用を求める案
国の資料(令和7年12月)は、対応の方向性(案)として、中山間地域・人口減少地域でなく、人口に占めるサービス利用者の割合が上位25%の市町村に、次の2つを国から要請する案を示しました。対象のサービスには、児童発達支援と放デイが入っています。
- 計画の「必要な量の見込み」を出す時、これまでの伸び率が全国平均を上回るなら、全国平均の伸びに止めて算定する(地域のニーズを踏まえ、別の算定方法とその必要性を計画で示す場合は除く)
- 総量規制と意見申出の仕組みを使い、地域の実情に合った提供体制にする
同じ資料は、強度行動障害・重症心身障害・医療的ケアのある人や子を対象にする生活介護・児童発達支援・放デイを、総量規制の例外にしている自治体の例も載せています。部会に出された案なので、その後どう決まったかは、こども家庭庁と厚生労働省の最新の資料で確かめてください。
出典: 国の資料 PDF p.3〜5
熊本市の例:区ごとの令和9年度の枠
熊本市は、市の要項で、児童発達支援と放デイの新規指定を、区ごとの数の範囲内で行うとしています。主として重症心身障害児を通わせる児童発達支援・放デイと、共生型サービスは対象外です。
| 区 | 児童発達支援 | 放課後等デイサービス |
|---|---|---|
| 中央区 | 5 | 1 |
| 東区 | 1 | 8 |
| 西区 | 0 | 2 |
| 南区 | 1 | 3 |
| 北区 | 3 | 4 |
数は令和9年度の枠で、児童発達支援・放デイは定員10名の事業所で数えます。表の「0」は、駅からどれだけ近い物件でも1にはなりません。手続きの決まりも具体的です。
- 事前面談が先: 申込は電子申請で、令和9年度開所の分は令和8年10月7日〜10月26日17時。期間中に申し込まないと面談を受けられず、原則としてこの期間で募集を締め切る(枠に余りが出たら改めて募集する場合あり)
- 申請できる法人: 法人であること・市税の滞納がないこと。原則1法人1事業(児童発達支援と放デイは多機能で1事業として申請できる)。代表や経営に関係する役員が重なる別法人は、同じ法人とみなす
- 枠を確保する時点: 面談後、市が示す期日までに指定申請書一式を出した時点。出さなければ枠は取り消し
- 建物: 建築基準法と消防法に合っていることがわかる書類(用途変更の確認申請をしない場合は建築士の証明書、消防は検査済証)
- 責任の範囲: 枠がなくなって計画を中止した場合などの損害に、市は一切責任を負わない、と明記
市の次の計画(第8期障がい福祉計画・第4期障がい児福祉計画、令和9〜11年度)は令和9年3月に策定予定で、それを踏まえて枠を見直す可能性があるため、要項には令和9年度分だけが載っています。
出典: 熊本市「【総量規制】特定障害福祉サービス及び特定障害児通所支援の指定について」(最終更新日 2026年10月20日 https://www.city.kumamoto.jp/kiji00361576/index.html)、熊本市「令和9年度 熊本市特定障害福祉サービス等事業所指定要項」PDF p.1〜4(https://www.city.kumamoto.jp/kiji00361576/3_61576_520080_up_nyozlvak.pdf)
福島市の例:放デイは令和6年4月に解除
福島市は、令和4年12月28日付の通知で、就労継続支援B型・放デイ・児童発達支援の新規指定を制限していました。令和6年3月29日付の通知で、令和6年度はB型と児童発達支援の制限を続け、放デイは令和6年4月1日から総量規制を解除しました。行動障害や医療的ケア(重症心身障害を含む)のある障害児者を支援の対象とするサービスは、制限の例外です。根拠に挙げているのは児童福祉法第21条の5の15第5項です。
同じ市でも、年度とサービスで扱いが変わる例です。この通知は令和6年度の時点のものなので、いまの扱いは市の最新の案内で確かめます。
出典: 福島市長「障害福祉サービス等事業所に係る新規指定の制限実施について」(5障第3082号、令和6年3月29日)PDF p.1〜2(https://www.city.fukushima.fukushima.jp/material/files/group/51/0604soryokisei.pdf)
物件を決める前に確かめる順番(私たちの整理)
- 指定権者はどこか: 県か市か。熊本市のように、市が指定と総量規制をしている所もある
- 規制の有無: 指定権者のサイトで「総量規制」「新規指定の制限」を探し、対象のサービス・区域・年度・例外を読む
- 募集の時期: 熊本市のように、開所の前の年度の秋に事前面談の申込が締め切られる所がある
- 例外に当たるか: 重症心身障害児や医療的ケア児を主に受け入れる計画なら、例外の扱いを聞く
- 市町村の計画と条件: 市町村の障害児福祉計画の見込量と、指定に条件が付くかを、市町村の担当課にも聞く
- それから物件: 家賃が発生する契約や改修の契約は、枠と時期の見通しが立ってからにする
令和8年6月以降の新規指定には、基本報酬の特例もあります。総量規制とは別の制度で、収支計画への入れ方は新規指定の基本報酬の特例の記事にまとめています。
この記事は国と自治体の公表資料を読んで整理したものです。総量規制の有無と対象、例外の扱いは、自治体と年度で異なります。物件を契約する前に、所在地の指定権者の最新の案内で確認し、相談してください。
「通知が来てから当日までの段取り表」と「確認される書類の一覧(7サービス)」を、メールアドレスだけで受け取れます(数分以内にURLをお届けします)。
議事録も計画書も、最後は職員が打ちます。その職員が怖がらずに道具を使い始める入口の60分を、研修の第1回「ICTって何? 怖がらずに使える"道具"の話」そのまま・無料で。11月16日(月)10:00〜11:00・Zoom。顔出し・発言は任意、聞くだけでも大丈夫です。参加しても、研修の申し込みは義務ではありません。
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この記事は、国の公表資料をもとにHappiter株式会社が要約したものです。総量規制の有無と対象は自治体と年度で異なります。所在地の指定権者の最新の案内を確認してください。誤りを見つけた方は お問い合わせ からお知らせください。
