デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は福祉で使える?対象と流れ
出典: 中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局 ポータルサイト(https://it-shien.smrj.go.jp/)、同「通常枠」(https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/subsidy/normal/)、同『デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠)』第7回公募〜(2026年10月9日。以下「公募要領」)(https://it-shien.smrj.go.jp/pdf/it2026_kaitei_koubo_tsujyo.pdf)
名前が変わった制度の全体像
正式な事業名は「中小企業デジタル化・AI導入支援事業」で、事務局のサイトは「デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)」と案内しています。2026年版の公募要領は令和8年2月27日に公開されました。旧名で検索してたどり着いた方も、行き先は合っています。
枠は、通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数者連携デジタル化・AI導入枠の4つです。ここでは、業務ソフトを入れる時に使う通常枠を見ていきます。
| 項目 | 通常枠 |
|---|---|
| 補助額 | 5万円〜150万円未満(1プロセス以上)、150万円〜450万円以下(4プロセス以上) |
| 補助率 | 1/2以内。令和7年10月〜令和8年9月に、令和8年度改定の地域別最低賃金未満で雇う従業員が全従業員の30%以上の月が3か月以上あれば2/3以内 |
| 対象経費 | ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、導入関連費(機能拡張・導入設定・研修・保守など。役務は200万円まで) |
| 対象外の例 | リース・レンタル契約のもの、中古品、交付決定前に契約・購入したもの |
ソフトは、事務局に登録されたIT導入支援事業者が提供し、事務局に登録されたITツールの中から選びます。公募要領の別紙2の業種固有プロセスには「介護業」(介護記録管理など)があり、障害福祉という区分は見当たりません。どの業務プロセスに当たるかは、ツールごとにIT導入支援事業者と確かめます。
出典: 事務局ポータルサイト(前掲)、中小企業基盤整備機構「『中小企業デジタル化・AI導入補助金2026』の公募要領が公開されました」(2026年2月27日)(https://www.smrj.go.jp/news/2025/hkj3i800000018o6.html)、公募要領 1-1・2-2・2-3・3-4・別紙2(p.2・p.4・p.14〜16・p.27・p.40)
福祉の法人は対象になるか
公募要領の「中小企業等の定義」のうち、福祉の事業所を営む法人にかかわる行は次のとおりです。
| 法人の形 | 対象になる規模 |
|---|---|
| 社会福祉法人・医療法人 | 常時使用する従業員の数が300人以下 |
| 特定非営利活動法人 | 主たる業種の分類に記載の従業員規模以下 |
| 株式会社・合同会社など | 業種分類ごとの資本金の額か常時使用する従業員の数(例: サービス業は5千万円以下か100人以下、その他の業種は3億円以下か300人以下) |
常時使用する従業員は、労働基準法第20条の解雇の予告を必要とする者で、役員は含みません。大企業が株式の2分の1以上を持つ会社などは対象外です。
福祉の法人にとって大きいのは賃上げの要件です。第7回からの公募要領では、150万円以上の申請に、1人当たり給与支給総額を1年後に3%以上・年平均3%以上伸ばし、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上にする計画を立てて従業員に表明することを求め、達成できない場合は返還を求めるとしています。ただし、社会福祉法に基づく第一種・第二種社会福祉事業を行う事業者は、この賃上げの要件の適用外です。社会福祉法第2条は、障害福祉サービス事業と障害児通所支援事業を第二種社会福祉事業に、障害者支援施設の経営を第一種社会福祉事業に挙げています。
一方、労働生産性の要件は残ります。1年後に3%以上、事業計画期間の年平均で3%以上の向上(労働生産性は、営業利益・人件費・減価償却費の合計を年間の総労働時間で割った値)を、3年間の事業計画で示します。IT導入補助金2023〜2025の通常枠などで交付決定を受けた法人は、どちらも4%以上です。
出典: 公募要領 2-1-1・2-1-2(p.5〜13)、社会福祉法 第2条第2項第4号・第3項第2号・第4号の2(https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000045)
IT導入支援事業者と進める申請の流れ
申請は、法人とIT導入支援事業者が共同事業体になって事務局に出します。
- 公募要領を読み、IT導入支援事業者とITツールを選ぶ(この時点では契約しない)
- GビズIDプライムを取り、IPAの「SECURITY ACTION」の一つ星か二つ星を宣言する
- IT導入支援事業者から申請マイページに招待され、開設する
- 事業計画とツールの情報を確かめて宣誓し、提出する(法人は履歴事項全部証明書、法人税の納税証明書、直近の貸借対照表と損益計算書)
- 交付決定のあとに契約・導入・支払いをし、実績報告を出して補助金を受ける
- 導入後に効果報告を出す(1年度目は2028年4月〜2029年1月。3年度目まで続く)
2026年の通常枠は、1法人1申請です。IT導入補助金2025の通常枠で交付決定を受けた法人は、交付決定日から12か月以内は通常枠に申請できません。また、国などの他の補助金と重複する事業は対象に含められません。障害福祉のICTには介護テクノロジー導入支援事業もあるので、同じ経費をどちらで申請するかを先に決めておきます。
日程は、2026年10月27日の時点で、通常枠6次の締切が10月30日(金)17時、交付決定が12月10日(予定)、事業実施と実績報告の期限が2027年5月31日17時(予定)です。7次以降は、10月9日のお知らせで1人当たり給与支給総額の向上に係る申請要件の追加などが告知され、日程は確定した回から事務局の日程表に載ります。
出典: 公募要領 1-2・2-1-1・3-1・3-2・3-5(p.4〜6・p.17〜21・p.30)、事務局「事業スケジュール」(https://it-shien.smrj.go.jp/schedule/)、事務局「第7次公募回以降における制度変更のお知らせ」(2026年10月9日)(https://it-shien.smrj.go.jp/news/40124)
入れたツールが使われる計画にする
審査では、自社の経営課題を理解して具体的な問題意識を持っているか、改善すべきプロセスと導入するITツールの効果が合っているかが見られます。効果報告では、数値に加えて、ITツールを継続的に活用していることを証する書類等も求められます。入れた事実より、使い続けた事実が問われる作りです。
申請の前に、次の4つを1枚に書いておくと、IT導入支援事業者との商談がぶれません(Happiter株式会社の整理です)。
- いちばん時間を取られている事務を1つ(例: 支援記録の転記、実績記録票と請求の突き合わせ)
- その事務にいまかかっている時間(1〜2週間、記録を取る)
- 誰が旗振り役で、いつまでに何を始めるか
- 反対しそうな人・つまずきそうな点と、その対策
この4項目はDX導入計画 1枚ワークシートの欄と同じで、印刷してそのまま打ち合わせに持って行けます。
出典: 公募要領 3-3・3-5(p.22・p.30)
この記事は事務局の公表資料を読んで整理したものです。対象者・対象経費・要件・締切は公募回ごとに変わります。申請の前に事務局の最新の公募要領と日程表を確認し、自法人が対象になるかはIT導入支援事業者や事務局のコールセンターに確かめてください。
「通知が来てから当日までの段取り表」と「確認される書類の一覧(7サービス)」を、メールアドレスだけで受け取れます(数分以内にURLをお届けします)。
DX導入計画 1枚ワークシート。いちばん時間を取られている事務作業、この3か月でやる1つ、担当者と期限、成功の目印(数字)、つまずきそうな点と対策、使えそうな補助金の目処を、A4の1枚にまとめて印刷できます(登録なし)。
無料の道具を開く(登録なし) →
議事録も計画書も、最後は職員が打ちます。その職員が怖がらずに道具を使い始める入口の60分を、研修の第1回「ICTって何? 怖がらずに使える"道具"の話」そのまま・無料で。11月16日(月)10:00〜11:00・Zoom。顔出し・発言は任意、聞くだけでも大丈夫です。参加しても、研修の申し込みは義務ではありません。
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この記事は、国の公表資料をもとにHappiter株式会社が要約したものです。対象者・対象経費・締切は公募回ごとに変わります。事務局の最新の公募要領を確認してください。誤りを見つけた方は お問い合わせ からお知らせください。
