障害福祉の介護テクノロジー導入支援|次の募集に備える準備と申請先
出典: 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長「障害福祉分野の介護テクノロジー導入支援事業の実施について(通知)」(令和8年1月15日障発0115第3号。別紙の実施要綱を以下「実施要綱」。島根県のページに掲載)(https://www.pref.shimane.lg.jp/medical/fukushi/syougai/jigyousya/kaigotechnology07.data/03_260115zissiyoukou.pdf)、厚生労働省「障害保健福祉に関する令和7年度補正予算案の概要」p.5(PDF p.6)(https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001604241.pdf)、長野県健康福祉部障がい者支援課長「令和9年度障害福祉分野の介護テクノロジー導入支援事業の活用希望調査について(照会)」(令和8年7月23日。以下「長野県の照会」)(https://www.pref.nagano.lg.jp/shogai-shien/documents/kaigotekunorojishoukaibun.pdf)
事業の仕組み(3つの区分)
| 区分 | 主な対象 | 1か所あたりの上限 |
|---|---|---|
| 介護ロボット | 移乗・移動・排泄・見守り・入浴などの場面で使うロボット | 障害者支援施設210万円・グループホーム150万円・その他の事業所120万円(1機器30万円、移乗・入浴は100万円まで) |
| ICT | 情報端末(タブレット・スマートフォン・インカム)、ソフトウェア、AIカメラ等、通信環境機器、保守経費等 | 100万円 |
| パッケージ型 | 介護ロボットとICTを組み合わせて入れる | 1,000万円 |
ICTのソフトウェアは、記録・情報共有・請求を転記なしで一気通貫に行えるもの、または勤怠管理・シフト表作成などのバックオフィスのソフトです。経費はその年度の分だけで、購入が原則(リース・レンタルは対象外)、インターネット回線の使用料などの通信費も対象外です。導入設定や導入研修は「保守経費等」に入りますが、端末・ソフト・カメラの導入に必要なものに限られます。さらにICTは、都道府県等が開くICT導入の研修会への参加が補助を受ける要件です。
出典: 実施要綱 3・5(PDF p.2〜6)、島根県「障害福祉分野の介護テクノロジー導入支援事業の国庫補助協議について」(基準額・補助率)(https://www.pref.shimane.lg.jp/medical/fukushi/syougai/jigyousya/kaigotechnology07.html)、広島市「障害福祉分野の介護テクノロジー導入支援補助金」(更新日 2026年7月9日)(https://www.city.hiroshima.lg.jp/business/shogai/1026871/1048266.html)
児発・放デイは、ICTの窓口が別
実施要綱の対象者を見ると、介護ロボットには障害児通所支援事業者が入っていますが、ICTは「障害福祉サービス事業者、障害者支援施設事業者、一般相談支援事業者、特定相談支援事業者」で、障害児通所支援事業者は入っていません。AIカメラ等は、さらに訪問系・就労定着支援・相談支援を除きます。
児童発達支援・放課後等デイサービスのICTは、こども家庭庁の事業で扱われています。大阪府は「障害児支援分野のICT導入支援事業」を別のページで案内しており(補助率3/4・1か所100万円・令和8年度は受付終了)、長野県の照会も、障がい児の事業所の費用は別に照会している「障害児支援分野のICT導入モデル事業」の対象とし、同じ敷地に両方の事業所があって両方で補助を受けたい時は、機器の台数などで費用を按分するよう求めています。
出典: 実施要綱 3(PDF p.2)、大阪府「大阪府障がい児支援分野のICT導入支援事業について」(更新日 2026年5月22日)(https://www.pref.osaka.lg.jp/o090080/shougaiji_ict.html)、長野県の照会 4(4)
申請先は、県か指定都市・中核市か
大阪府は、政令市・中核市から指定を受けている施設・事業所は政令市・中核市の募集の対象なので、府へは申請できないとしています。島根県も、松江市にある施設・事業所を対象から外しています。手元の指定通知書で指定をした自治体を確かめ、その障害福祉の担当課のページを見るのが近道です。検索すると介護保険の事業所向けの事業も多く出てくるので、「障害福祉分野の」と付いたページかどうかを確かめます。
なお、厚労省の「民間団体実施分」の公募は、効果の検証と導入・活用マニュアルの作成を行う民間団体への補助で、事業所が機器を買う時の申請先ではありません。
出典: 大阪府「大阪府障がい福祉分野の介護テクノロジー導入支援事業について」(更新日 2026年5月22日)(https://www.pref.osaka.lg.jp/o090080/kaigotechnology.html)、島根県のページ(前掲)、厚生労働省「令和7年度障害福祉分野の介護テクノロジー導入支援事業(民間団体実施分)の公募について」(令和7年12月4日)と同ページの公募要項(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_66684.html)
募集の時期と、次の募集に備えること
令和8年度分は、広島市が4月1日〜4月30日、島根県が5月21日17時の締め切りでした。長野県の照会は、令和9年度の活用希望を令和8年9月9日まで調査票と見積書のデータで受け付け、結果を予算要求に使うとしています。ただし、答えても事業が行われない、または採択されない可能性がある、とも書いています。
国の令和9年度の概算要求では、この事業に13億円(令和7年度補正は6.0億円)を求め、事業者の負担を1/5に下げる拡充と、外部の支援機関などの見識を借りる「第三者を活用した業務の課題分析等」(1事業所48万円まで)の新設が並んでいます。まだ要求の段階で、予算と要綱が決まるまで確定しません。
いまから備えられることを、資料をもとに並べます(Happiter株式会社の整理です)。
- 夏〜秋の照会を見落とさない: 指定をした自治体の担当課のページと、届く通知を確かめる
- 見積は2者以上から: 実施要綱は、複数の業者から見積を取り、原則として最低価格の業者を選ぶよう求めています。大阪府は、カタログや通販サイトの価格は見積にできないとしています
- 交付決定の前に買わない: 大阪府の補助の対象は、交付決定通知以降に導入した機器の経費で、申請時点で導入済みの機器は対象外です
- 処遇改善加算を確かめる: 国が選ぶ時は、浮いた超過勤務手当などをサービスの質の向上や賃金改善に使うと職員に周知する旨を申し出て、処遇改善加算を算定している(またはおおむね3か月以内に取得見込みの)事業所を優先します
出典: 広島市のページ(前掲)、島根県のページ(前掲)、長野県の照会 3・4、厚生労働省「令和9年度概算要求の概要(障害保健福祉部)」PDF p.6〜7(https://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/27syokan/dl/gaiyo-11-2.pdf)、実施要綱 7(4)(5)(PDF p.7〜8)、大阪府のページ(前掲)
入れた機器が使われる計画にする
実施要綱は、導入した事業所に、客観的で定量的な指標で導入前後を比べ、業務の効率化と職員の負担軽減の効果を報告するよう求めています。実績報告は事業が終わった年度の翌年度4月末日まで、導入した製品と効果はホームページなどで公表します。大阪府は、導入しておおむね3か月後に、前後を比べた結果を報告するとしています。
前後を比べるには、入れる前の数字が要ります。記録の入力・申し送り・請求の確認にかかる時間を、申請の前に2週間ほど測っておくと、報告の「前」の欄が埋まります。誰が最初に使うか、紙の様式をいつやめるか、困った時に誰に聞くかも、機器が届く前に決めておきます。充電器の上で一番きれいなまま眠っているタブレットは、効果の欄に書くことがありません。
機器と切り離した職員研修の費用を助成で考えるなら、別の制度になります。条件は人材開発支援助成金でDX研修を受ける時の記事にまとめています。
出典: 実施要綱 5(2)ウ・7(1)〜(3)(PDF p.5〜8)、大阪府のページ(前掲)
この記事は国と自治体の公表資料を読んで整理したものです。募集の有無・時期・対象・上限額は、都道府県・指定都市・中核市と年度によって異なります。所在地の担当課の最新の案内で確認してください。
「通知が来てから当日までの段取り表」と「確認される書類の一覧(7サービス)」を、メールアドレスだけで受け取れます(数分以内にURLをお届けします)。
議事録も計画書も、最後は職員が打ちます。その職員が怖がらずに道具を使い始める入口の60分を、研修の第1回「ICTって何? 怖がらずに使える"道具"の話」そのまま・無料で。11月16日(月)10:00〜11:00・Zoom。顔出し・発言は任意、聞くだけでも大丈夫です。参加しても、研修の申し込みは義務ではありません。
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全20回(各60分・1事業所単位・半年〜1年)の伴走研修を行っています。入れた機器が使われないまま、を防ぐ回は、第17回「ICT導入あるあるを乗り越える 〜反発・拒否・放置対策〜」です。20回のタイトルと料金は研修のページに。
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この記事は、国の公表資料をもとにHappiter株式会社が要約したものです。募集の有無・時期・対象は、都道府県・指定都市・中核市によって異なります。所在地の担当課の案内を確認してください。誤りを見つけた方は お問い合わせ からお知らせください。
