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障害福祉の地域区分|1単位の単価と報酬の計算方法

2026-10-27書いた人: 茂呂史生(Happiter株式会社)
障害福祉サービスと障害児通所支援の報酬は、算定した単位数に「1単位の単価」をかけて円にします。1単位の単価は、10円に、事業所が所在する地域の地域区分と、サービスの種類ごとに決まった割合をかけた額です。たとえば放課後等デイサービス(主として重症心身障害児以外の子を通わせる場合)は、1級地が11.20円、地域区分「その他」が10円です。障害児のサービスと大人のサービスは単価を定める告示が別で、同じ級地でも割合が少しずつ違います。2つの告示の読み方、級地の上乗せ割合と令和6〜8年度の適用地域の表の見方、金額の計算方法と端数の扱い、開設の地域を決める前に確かめる所を整理します。
出典: 「こども家庭庁長官が定める一単位の単価」(平成24年3月14日厚生労働省告示第128号。以下「障害児の単価告示」)(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=82ab2685)(厚生労働省 法令等データベースに掲載)、「こども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定める一単位の単価並びに厚生労働大臣が定める一単位の単価」(平成18年9月29日厚生労働省告示第539号。以下「障害者の単価告示」)(https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=83aa8493&dataType=0&pageNo=1)(厚生労働省 法令等データベースに掲載)

1単位の単価は「10円×割合」:障害児と大人で告示が別

障害児の単価告示は、児童発達支援・放課後等デイサービスなどの1単位の単価を、10円に、事業所が所在する地域区分と支援の種類に応じた割合をかけた額としています。割合は「千分の千百二十」のような書き方で、放デイ(主として重症心身障害児以外の障害児を通わせる場合)の1級地なら10円×1120/1000=11.20円です。

大人の障害福祉サービスや計画相談支援などは、障害者の単価告示で決まります。こちらも10円(居宅介護・重度訪問介護・同行援護・行動援護の基準該当サービスは8.5円)に、地域区分とサービス種類ごとの割合をかけた額です。主なサービスを並べると次のとおりです(告示の割合に10円をかけた値)。

級地(上乗せ割合)放デイ(重心以外)生活介護就労継続支援
1級地(20%)11.20円11.22円11.14円
2級地(16%)10.96円10.98円10.91円
3級地(15%)10.90円10.92円10.86円
4級地(12%)10.72円10.73円10.68円
5級地(10%)10.60円10.61円10.57円
6級地(6%)10.36円10.37円10.34円
7級地(3%)10.18円10.18円10.17円
その他(0%)10円10円10円

上乗せ割合の20%が、そのまま単価に乗るわけではありません。同じ1級地でも、児童発達支援センターは11.24円、主として重症心身障害児を通わせる放デイは11.52円、共同生活援助(グループホーム)は11.60円です。自分のサービスの行を、告示の表で確かめます。

出典: 障害児の単価告示 第一号、障害者の単価告示 第一号、厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」(令和6年2月6日。以下「改定の概要」)別紙3 p.188〜189(上乗せ割合 https://www.mhlw.go.jp/content/001216035.pdf)

地域区分の級地と、令和6〜8年度の適用地域の表の見方

改定の概要は、地域区分を、類似制度である介護報酬の地域区分との均衡を考え、原則として公務員の地域手当の設定に準拠している介護報酬の地域区分の考え方に合わせる、としています。どの市町村が何級地かは、改定の概要の別紙3「令和6〜8年度における地域区分の適用地域」で見ます。別紙3には、障害者サービス(p.188)と障害児サービス(p.189)の2枚の表があります。表の見方は次のとおりです。

経過措置もあります。平成30年度の改定の時に設けた経過措置を適用している自治体は、その自治体の意向で令和9年3月31日まで延長できます。平成30年度の改定の後に介護報酬と同じ区分に変えた自治体は、意向により現行の区分と従前の区分の範囲内で設定でき、こちらは令和8年度末までの適用です。

2026年10月27日の時点で、令和9年度からの地域区分は決まっていません。令和9年度報酬改定の主な論点(案)は、令和6年8月の人事院勧告で国家公務員の地域手当の級地区分を設定する地域の単位が広域化されたことなどを踏まえ、障害福祉分野の地域区分も、市町村の意向を確認しつつ検討が必要ではないか、としています。改定の日程は令和9年度報酬改定の日程の記事にまとめています。

出典: 改定の概要 p.18・別紙3 p.188〜189、厚生労働省・こども家庭庁「令和9年度障害福祉報酬改定に向けた主な論点(案)」(障害福祉報酬改定検討チーム 第62回 資料2、R8.8.27)PDF p.10(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001742921.pdf)

報酬の計算方法:単位数をそろえてから単価をかける

国の留意事項通知は、計算の順番と端数の扱いを決めています。

  1. 単位数: 基本の単位数に割合をかける(減算など)たびに、小数点以下を四捨五入して整数にする
  2. 金額: 算定した単位数に1単位の単価をかけ、1円未満は切り捨てる

障害児通所支援の通知の例(児童発達支援センター・2級地)は、2,873単位に地方公共団体の施設の1000分の965をかけて2,772単位、定員超過の100分の70をかけて1,940単位、月22回で42,680単位、これに10.99円をかけた469,053.2円を切り捨てて469,053円、という順番です。障害福祉サービスの通知にも同じ決まりがあり、居宅介護の例では1級地の11.20円を使っています。

同じ単位数でも、地域区分で金額が変わります。放デイ(定員10人以下・平日の区分2・医療的ケア児以外)の609単位を、1人の子が月12回利用した7,308単位で比べると次のとおりです(加算・減算を除いたHappiter株式会社の試算)。

地域区分1単位の単価7,308単位の金額
1級地11.20円81,849円
5級地10.60円77,464円
その他10円73,080円

1級地とその他の差は1人あたり月8,769円で、同じ利用の子が20人なら月175,380円です。障害福祉 収益シミュレーターは、地域区分「その他」の1単位10円で計算しています。級地のある地域では、基本報酬の部分を上の表の単価の分だけ(1級地の放デイならおよそ1.12倍に)読み替えて見てください。

出典: 「児童福祉法に基づく指定通所支援及び基準該当通所支援に要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成24年3月30日障発0330第16号。最終改正 令和8年3月31日こ支障第88号。以下「留意事項通知」)PDF p.4〜5(こども家庭庁 https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/2c5e1bb4-ee80-462b-992f-06f0d8c9b774/4aacbf83/20260402_policies_shougaijishien_shisaku_r8hoshukaitei_17.pdf)、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」(平成18年10月31日障発第1031001号)新旧対照表 PDF p.9〜10(厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/001705650.pdf)、厚生労働省・こども家庭庁「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」(令和8年度)放課後等デイサービス給付費 PDF p.48(https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001658031.pdf)

開設の地域を決める前に確かめる所

次は、告示と通知を読んだうえでのHappiter株式会社の整理です。

移転や2か所目の開設で市町村をまたぐ時は、1単位の単価が変わることがあります。物件を決める前に、候補地ごとの級地と単価を1行ずつ書き出して比べておくと、収支の見込みがぶれません。

出典: 障害児の単価告示 第一号〜第三号、障害者の単価告示 第一号・第二号、改定の概要 p.18・別紙3、留意事項通知 PDF p.52
この記事は国の告示・通知と報酬改定の資料を読んで整理したものです。所在地の級地と経過措置の扱いは、告示の改正や自治体の意向で変わることがあります。厚生労働省・こども家庭庁の告示と、所在地の指定権者の案内で確認してください。
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茂呂史生
茂呂史生 Happiter株式会社 代表。2005年から訪問介護・放課後等デイサービス・グループホーム・就労支援を自分の手で立ち上げ、4社を経営。著書『世界を変える子どもたち』。

この記事は、国の公表資料をもとにHappiter株式会社が要約したものです。所在地の級地と経過措置は、厚生労働省・こども家庭庁の告示と所在地の指定権者の案内を確認してください。誤りを見つけた方は お問い合わせ からお知らせください。