就労選択支援とは|B型の新規利用はどう変わったか
出典: 文部科学省初等中等教育局特別支援教育課長・厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長「特別支援学校等における就労選択支援の取扱いについて」(令和7年5月15日 7初特支第1号・障障発0515第2号。以下「周知文書」)p.2〜3(https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001488515.pdf)、厚生労働省「就労選択支援実施マニュアル」(令和7年4月21日付け事務連絡で送付。以下「マニュアル」)PDF p.7(https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001480295.pdf)
就労選択支援とは(令和7年10月から)
- やること: 短期間の生産活動などを通じたアセスメント、本人と関係機関の担当者を集めた多機関によるケース会議、アセスメント結果の作成、必要に応じた事業者等との連絡調整、地域の雇用事例などの情報提供
- 期間: 支給決定期間は原則1か月。作業場面などを使うアセスメントは2週間程度を想定し、状況に応じて5日間程度の短期間でも行える
- 担う事業所: 就労移行支援または就労継続支援の事業者で、過去3年以内に事業所の利用者3人以上が新たに通常の事業所に雇用されたものなど、就労支援の経験と実績を都道府県知事が認める事業者
- 対象: 就労移行支援または就労継続支援を使う意向のある人と、いま使っている人
マニュアルは、就労選択支援は就労の可否を判断したり、どの就労系障害福祉サービスを使うかを振り分けたりするものではない、と何度も書いています。本人が自分の働き方を考え、選んで決めることを支えるサービスです。アセスメントの結果は、本人と協同して作り、支給決定などで勘案されます。
出典: 周知文書 p.2〜3、マニュアル PDF p.4・p.6・p.9
B型の新規利用で原則として必要に:例外になる人
マニュアルの表を、サービスごとにまとめるとこうなります。
| サービス | 原則として先に利用 | 希望に応じて利用 |
|---|---|---|
| 就労継続支援B型 | 新たに使う人(令和7年10月から) | 下の例外に当たる人・更新する人 |
| 就労継続支援A型 | 新たに使う人(令和9年4月から・予定) | 更新する人 |
| 就労移行支援 | 標準利用期間を超えて更新する人(令和9年4月から・予定) | 新たに使う人 |
アセスメントなしでB型を使える人として、周知文書とマニュアルが挙げているのは次の3つです。
- 50歳に達している人
- 障害基礎年金1級を受けている人
- 就労経験があり、年齢や体力の面で一般企業に雇用されることが難しくなった人
周知文書は最後に「等」を付けています。名古屋市の説明資料は、4つ目に「復職支援型など通常の事業所に雇用されている者で利用が認められる者」を挙げています。
もう1つの例外が、地域の事情です。最も近い就労選択支援事業所でも通うのが難しいなど近くに事業所がない場合と、事業所が少なく就労選択支援を受けるまでに待機期間が生じる場合は、就労移行支援事業所等による就労アセスメントを経たB型の利用が認められます。
出典: マニュアル PDF p.7、周知文書 p.3、名古屋市健康福祉局障害福祉部障害者支援課「就労選択支援の実施について」スライド3(https://www.kaigo-wel.city.nagoya.jp/view/wel/docs_jigyosya/2025060900051/file_contents/070701suraido3.pdf)、大田区「就労選択支援について」(更新日 2026年1月29日)(https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/fukushi/shougai/seikatsushien/fukushiservice/jiritsusien/shyurousenntaku202602.html)
B型事業所の受け入れの流れはどう変わるか
名古屋市の資料は、B型の要件を「旧: 就労移行支援事業者等によるアセスメント」から「新: 就労選択支援事業者による把握」に変わった、と並べています。マニュアルの手順に沿うと、新しく来る人の流れは次のとおりです。
- 本人が市区町村に利用を相談する
- 指定特定相談支援事業所がサービス等利用計画案を出し、市区町村が就労選択支援の支給決定をする(セルフプランの場合もある)
- 就労選択支援事業所がアセスメントを行い、多機関によるケース会議を開いて、アセスメント結果をまとめる
- 本人がB型を選んだら、B型の利用申請・計画案・支給決定を経て、利用契約へ
B型事業所が関わるのは、主に3つの場面です。
- 見学や問い合わせ: 見学の帰りぎわに聞かれる「来週から通えますか」は、答えの中に就労選択支援の1か月が入る質問になりました。例外に当たるかを聞き取り、当たらなければ市区町村と相談支援の事業所につなぎます
- ケース会議: マニュアルは、就労系障害福祉サービス事業所を関係機関の1つに挙げています。呼ばれたら、作業の内容・工賃・通い方の配慮など、本人が選ぶための材料を出します
- 結果を受け取った後: マニュアルは、アセスメント結果を本人・家族・関係者と共有し、その後の就労支援に生かせるようにする、としています。個別支援計画を作る時の材料になります
いま通っている人が、更新の時などに就労選択支援を使う日の扱いも決まっています。マニュアルのQ&Aは、就労選択支援の報酬を算定した日は、同じ日に生活介護・自立訓練・就労移行支援・就労継続支援(A型・B型)の報酬は算定できない、両事業所の合議で報酬を按分して同じ日に使うことは妨げない、としています。
名古屋市の資料は、令和7年9月までに就労移行支援事業所等のアセスメントを受けた人などがB型の支給決定を希望する場合、「令和7年10月〜令和8年9月及びその後当面の間に限り」そのアセスメントで支給決定することも可能とする取扱いを「予定」と書いていました。令和8年9月を過ぎたいま、以前のアセスメントで受け入れを考えている人がいたら、支給決定をする市町村の今の扱いを確かめます。
出典: マニュアル PDF p.9・p.13・p.15〜16・p.50、名古屋市の資料(前掲)スライド3・5・10
A型・就労移行の扱い(令和9年4月以降)
周知文書は、令和9年4月以降は、新たに就労継続支援A型を使う場合と、標準利用期間を超えて就労移行支援を使う場合も、就労選択支援事業所によるアセスメントが行われている人が対象になる「予定」で、令和9年4月以降の取扱いは改めて示す、としています。大田区の案内も同じ予定を載せています。A型や就労移行も運営している法人は、続きの通知を待ちながら、B型で始まった流れに職員が慣れておく時期です。
出典: 周知文書 p.3、大田区の案内(前掲)
B型事業所がいま見直しておくこと
ここからはHappiter株式会社の整理です。
- 問い合わせの受け答え: 例外の3つ(と「等」)と、近くに事業所がない時の扱いを1枚にまとめ、電話を受ける人の手元に置く
- 近くの就労選択支援事業所: どこにあり、待機がどのくらいかを、市区町村や相談支援の事業所に聞いておく
- 空きの見込み: 相談から通い始めるまでの間に、就労選択支援(支給決定期間は原則1か月)が入ります。退所や欠員の予定が見えたら、この1か月を入れて次の人の受け入れを考える
- 更新の時期: 就労選択支援の報酬を算定した日はB型の報酬を算定できないので、使う予定は本人・相談支援の事業所と早めに合わせる
空いた席が1か月埋まらないと、月の収入がどれだけ動くかは、障害福祉 収益シミュレーターで稼働率を変えて確かめられます。B型の報酬の区分は令和8年6月改定の記事にまとめています。
この記事は国と自治体の公表資料を読んで整理したものです。就労選択支援の運用と様式は市町村によって異なります。支給決定をする市町村の案内を確認してください。
「通知が来てから当日までの段取り表」と「確認される書類の一覧(7サービス)」を、メールアドレスだけで受け取れます(数分以内にURLをお届けします)。
議事録も計画書も、最後は職員が打ちます。その職員が怖がらずに道具を使い始める入口の60分を、研修の第1回「ICTって何? 怖がらずに使える"道具"の話」そのまま・無料で。11月16日(月)10:00〜11:00・Zoom。顔出し・発言は任意、聞くだけでも大丈夫です。参加しても、研修の申し込みは義務ではありません。
11/16(月)の無料体験会に申し込む →
この記事は、国の公表資料をもとにHappiter株式会社が要約したものです。就労選択支援の運用と様式は市町村によって異なります。支給決定をする市町村の案内を確認してください。誤りを見つけた方は お問い合わせ からお知らせください。
