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処遇改善加算Ⅰロ・Ⅱロの要件|誓約した生産性向上を年度末までに整える(障害福祉 令和8年度)

2026-10-26書いた人: 茂呂史生(Happiter株式会社)
処遇改善加算の上乗せ区分(加算Ⅰロ・Ⅱロ)は、令和8年度の特例要件として、職場環境等要件の生産性向上に関する取組を5つ以上(⑱現場の課題の見える化と㉑業務支援ソフト・情報端末の導入は必須)行うこと(社会福祉連携推進法人に所属していれば、これに代えられます)と、加算額の一部を月給の改善に充てることを求めています。どちらも令和8年度中の対応の誓約でよく、実績報告書で確かめられます。未対応が確認されると、加算額の一部または全部の返還です。誓約した取組を年度末までにどう整えるかを先に、令和8年6月の見直しの中身(対象の拡大・加算率・相談支援への新設・計画書の期限)を後に、厚生労働省の資料と自治体の案内で整理します。
出典: 厚生労働省・こども家庭庁「令和8年度の障害福祉人材の処遇改善等の対応」(報酬改定検討チーム第53回 資料1・令和8年2月18日。以下「対応」)p.4(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001657650.pdf)、厚生労働省 障害福祉サービス等報酬改定検討チーム「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定における改定事項について」(令和8年2月18日。以下「改定事項」)PDF p.5〜6(https://www.mhlw.go.jp/content/001680064.pdf)

⑱見える化・㉑業務支援ソフト等の導入を年度内にどう満たすか

上乗せ区分の「令和8年度特例要件」は、アかイのどちらかと、ウを満たすことです(要件の文言は次の区画)。社会福祉連携推進法人に所属していない事業所はアで満たすので、⑱と㉑の2つは外せず、ほかに3つ以上の取組が要ります。誓約で算定を始めた事業所は、年度末までに次の4つをそろえます。

年度内にやること残しておくもの要件
職員から、時間をとられている業務と困りごとを集め、課題として書き出す(現場の課題の見える化)調べた日・やり方・加わった職員・出た課題の一覧ア ⑱
記録・情報共有などに使う業務支援ソフトや、タブレット等の情報端末を入れ、使う業務と担当を決める導入した日・契約や購入の書類・使う業務と担当ア ㉑
⑱・㉑のほかに、生産性向上の取組を3つ以上選んで行う取組ごとに、行った日と中身ア
加算Ⅱロ相当の加算額の2分の1以上を、基本給か毎月決まって払う手当の改善に充てる賃金改善の内訳ウ

表の「やること」「残しておくもの」は、Happiter株式会社が段取りとして整理したもので、国の資料の文言ではありません。何をもって取り組んだとするか、実績報告書に何を書くかは、所在地の指定権者の案内と様式で確かめてください。

上乗せの幅は、たとえば放課後等デイサービスで加算Ⅰイ15.5%に対しⅠロ16.1%、共同生活援助(介護サービス包括型)で16.3%に対し16.9%です(下の加算率の表)。誓約で算定は始められますが、取組が済んだかどうかは実績報告書で確かめられます。年度末から逆算した段取りは、この記事の最後にまとめました。

出典: 対応 p.4、改定事項 PDF p.4〜6

上乗せ区分「加算Ⅰロ・Ⅱロ」の要件

今の加算Ⅰ・Ⅱの加算率に上乗せする区分です。「令和8年度特例要件」として、アかイのどちらかと、ウを満たします。

アとウは、令和8年度中の対応の誓約でよいとされ、実績報告書で確かめられます。未対応が確認された場合は、加算額の一部または全部の返還です。

加算Ⅰ・Ⅱそのものの要件も見直されました。キャリアパス要件Ⅳ(経験・技能のある障害福祉人材のうち1人以上の、賃金改善後の賃金額)を年額460万円以上にするか、職場環境等要件に全体から14以上取り組むか、のどちらかです。加算Ⅲ・Ⅳは、職場環境等要件が全体から8以上になりました。これらも令和8年度中の対応の誓約でよいとされています。加算Ⅰ・Ⅱでは、情報公表システム等で、職場環境等要件の項目ごとの具体的な取組内容の公表も求められます。

出典: 対応 p.4、改定事項 PDF p.5〜6

何が変わったか:対象が「障害福祉従事者」に

令和8年6月から、処遇改善加算(職員の賃金を上げるための加算)の対象が、福祉・介護職員だけでなく障害福祉従事者に広がりました。加算率はサービスごとに引き上げられ、生産性向上や協働化に取り組む事業所向けに、上の加算Ⅰロ・Ⅱロという上乗せの区分ができています。これまで対象外だった計画相談支援・障害児相談支援・地域相談支援にも加算が新設されました。

国の資料は、障害福祉従事者を対象に月1.0万円(3.3%)の賃上げ、生産性向上や協働化に取り組む事業者の福祉・介護職員に月0.3万円(1.0%)の上乗せ、を措置するとしています。合計で、福祉・介護職員について最大月1.9万円(6.3%)の賃上げ(定期昇給0.6万円込み)が実現する措置です。改定率は+1.84%です。

中身は次の4つです。

  1. 処遇改善加算の対象を、福祉・介護職員のみから障害福祉従事者に広げる(加算率の引上げ)
  2. 生産性向上や協働化に取り組む事業者に、上乗せの加算区分を設ける(加算Ⅰ・Ⅱの加算率の上乗せ)
  3. 対象外だった計画相談支援・障害児相談支援・地域相談支援に、処遇改善加算を新設する
  4. ベースアップなどによる更なる賃上げや、生産性向上等の取組を後押しする措置

施行は令和8年6月です。令和7年度補正予算の「障害福祉分野における賃上げに対する支援」が、令和7年12月分から令和8年5月分までの賃上げ相当分を支援するとしていることなどを踏まえて、6月施行にしたと説明されています。

資料は、相談支援専門員等の専門職の人材不足や、今の加算が福祉・介護職員以外にも配分されている実態を理由に挙げています。ここで最初にやるのは、賃金改善を誰にどう配るかのルールを書き直すことです。対象が広がっても、配り方が決まっていなければ職員には届きません。

出典: 改定事項 PDF p.3(https://www.mhlw.go.jp/content/001680064.pdf)、対応 p.1〜3・p.5(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001657650.pdf)

加算率:放デイ・児発・就労・GH・生活介護

資料の加算率から、通所とグループホーム(共同生活援助)の主なサービスを抜き出しました。加算率は、処遇改善加算を除く加減算後の総報酬単位数に掛けます。サービスごとの常勤換算職員数に基づいて決められています。

サービスⅠイⅠロⅡイⅡロⅢⅣ
放課後等デイサービス15.5%16.1%15.2%15.8%14.2%11.9%
児童発達支援15.2%15.8%14.9%15.5%13.9%11.7%
生活介護9.3%9.7%9.2%9.6%7.9%6.7%
就労移行支援11.5%11.9%11.3%11.7%9.8%8.1%
就労継続支援A型10.8%11.2%10.6%11.0%9.1%7.5%
就労継続支援B型10.5%10.9%10.3%10.7%8.8%7.4%
共同生活援助(介護サービス包括型)16.3%16.9%16.0%16.6%14.4%12.1%

新設の計画相談支援・障害児相談支援・地域相談支援(地域移行支援・地域定着支援)は、区分のない5.1%です。

出典: 改定事項 PDF p.4

新たに対象になった相談支援

計画相談支援・障害児相談支援・地域相談支援は、加算Ⅳの取得に準ずる要件(キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱと職場環境等要件)か、令和8年度特例要件のどちらかで算定できます。加算Ⅳに準ずる要件も令和8年度中の対応の誓約でよく、特例要件を満たす事業所は、この要件を要しないとされています。

箕面市の案内も、計画相談支援・障害児相談支援が令和8年6月から新たに加算の算定対象になる、としています。放デイと相談支援を同じ法人で運営している所は、相談支援の分を出し忘れていないかを先に見ます。

出典: 対応 p.3、改定事項 PDF p.5、箕面市「(障害福祉)令和8年度「福祉・介護職員等処遇改善加算等」の届出について」(https://www.city.minoh.lg.jp/kouikifukusi/syougai/r8syoguukaizen.html)

計画書の提出期限は自治体ごと:確かめる順番

期限・様式・出し方は、指定権者(事業所を指定した都道府県・指定都市・中核市など)が決めます。例として、箕面市(池田市・箕面市・豊能町・能勢町の広域福祉課)の令和8年度の案内は次のとおりでした。

これは箕面市の例で、全国共通の日付ではありません。確かめる順番は次のとおりです。

  1. 自分の事業所の指定権者がどこかを確かめる(法人で複数ある時は事業所ごとに)
  2. 指定権者のページで、令和8年度の処遇改善加算の届出の案内を開き、期限・様式・提出方法を読む
  3. 年度の途中で区分を上げる時は、変更の届出がいつから算定に反映されるかを読む
  4. 誓約で出した要件は、実績報告書で確かめられます。年度末までの段取りは、次の区画にまとめました
出典: 箕面市(前掲)

年度末までの段取り:⑱見える化・㉑業務支援ソフト等の導入を年度内に満たす

誓約した日の自分は、年度末の自分に宿題を出しています。宿題の中身と順番を、先に決めておきます。

  1. 担当と期限を決める: ⑱・㉑・ほかの3つ以上の取組・ウの月給の改善のそれぞれに、担当者と期限を書く。期限は、実績報告書を出す時期から逆算して年度内に置く
  2. ⑱の見える化を先にやる: 期間を決めて、記録・送迎・請求・連絡など、職員が時間をとられている業務と困りごとを書き出してもらい、課題を一覧にする。調べた日・やり方・加わった職員・結果を1枚に残す
  3. ㉑で入れる物は、見える化の結果から選ぶ: 課題の大きい業務に効く業務支援ソフトや情報端末を選ぶ。導入した日、契約や購入の書類、どの業務で誰が使うかを残す
  4. 入れた後に、使い方を全員で確かめる: 入れただけで使われない端末は、⑱で見えた課題を減らしません。使い方を確かめる時間を、職員会議などに入れておく
  5. 実績報告書の様式を先に開く: 指定権者の案内で、実績報告書に何を書くかを確かめ、残す記録の形を合わせておく

⑱の見える化の入口には、施設DX度診断(10問・60秒・登録なし)で事務のムダ時間の目安を出し、職員と話し合うたたき台にできます。㉑で入れた端末やソフトに職員が慣れる最初の一歩として、研修の第1回「ICTって何? 怖がらずに使える"道具"の話」を、11月16日(月)10:00〜11:00の無料のオンライン体験会にしています(体験会のページ)。

出典: 対応 p.4、改定事項 PDF p.5〜6(要件・誓約・実績報告書での確認・返還)。段取りの1〜5は、Happiter株式会社の整理です。
資料2点を、メールで受け取る(無料)
「通知が来てから当日までの段取り表」と「確認される書類の一覧(7サービス)」を、メールアドレスだけで受け取れます(数分以内にURLをお届けします)。
資料2点を、メールで受け取る(無料)
運営指導の、通知が来てからの段取り表と、確認される書類の一覧(7サービス)。
Happiter株式会社(代表 茂呂史生)からメールで届きます。制度改定と道具の新着のお知らせ(月2回まで)も届きます。止めたい時は、届いたメールに返信するだけです。
入力はメールアドレスだけ。このメール欄からお電話をすることはありません。名簿の管理とメールの送信には Google と Make の仕組みを使い、それ以外の第三者には渡しません。個人情報の取り扱い
この記事の内容を、そのまま点検に使う
施設DX度診断。10問・60秒で、事業所の「デジタル度」と事務のムダ時間の目安がわかり、効く順の打ち手が出ます。⑱の見える化を始める前の、職員との話し合いのたたき台に(登録なし)。
無料の道具を開く(登録なし) →
この記事の答え、結局は職員が打つことになりませんか。
議事録も計画書も、最後は職員が打ちます。その職員が怖がらずに道具を使い始める入口の60分を、研修の第1回「ICTって何? 怖がらずに使える"道具"の話」そのまま・無料で。11月16日(月)10:00〜11:00・Zoom。顔出し・発言は任意、聞くだけでも大丈夫です。参加しても、研修の申し込みは義務ではありません。
11/16(月)の無料体験会に申し込む →
AI×ICT伴走研修(全20回)
全20回(各60分・1事業所単位・半年〜1年)の伴走研修を行っています。20回のタイトルと料金は研修のページに。
20回のタイトルと料金を見る →
茂呂史生
茂呂史生 Happiter株式会社 代表。2005年から訪問介護・放課後等デイサービス・グループホーム・就労支援を自分の手で立ち上げ、4社を経営。著書『世界を変える子どもたち』。

この記事は、国の公表資料をもとにHappiter株式会社が要約したものです。加算率・要件・提出期限は、厚生労働省の通知と所在地の指定権者の案内を確認してください。誤りを見つけた方は お問い合わせ からお知らせください。