令和9年3月末で切れる経過措置|GH・通所・児発の確認表
出典: 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号。以下「基準省令」)附則第18条の2(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171)、児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第15号。以下「通所支援基準」)附則(令和6年1月25日内閣府令第5号)(https://laws.e-gov.go.jp/law/424M60000100015)、大阪市『食事提供体制加算の経過措置延長に伴う取扱いについて』(令和6年4月4日)(https://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/cmsfiles/contents/0000604/604137/shokujiteikyoutaisei.pdf)
確認表:令和9年3月31日が期限の経過措置
| 対象 | 経過措置の中身 | 根拠 |
|---|---|---|
| GH(日中サービス支援型を含む) | 区分4以上の入居者が、住居の中で、GHの従業者以外による居宅介護・重度訪問介護を使える | 基準省令 附則第18条の2 |
| 生活介護・自立訓練・就労移行支援・就労継続支援A型・B型・短期入所 | 食事提供体制加算を、栄養面の要件を加えたうえで算定できる | 令和6年度報酬改定(大阪市の通知) |
| 旧医療型の児童発達支援(みなし指定) | 児童発達支援センターの人員は、改正前の基準によることができる | 令和6年内閣府令第5号 附則第2条 |
| 主として難聴児・重症心身障害児を通わせる児童発達支援センター | 人員と利用定員は、改正前の基準によることができる | 同 附則第4条 |
| 同行援護・行動援護 | 従業者(行動援護はサービス提供責任者も)の研修要件のみなし | 報酬改定検討チーム 第63回の資料 |
GH:個人単位で居宅介護等を使う特例
基準省令第211条第3項は、GHの事業者が、利用者の負担で、事業所の従業者以外の者による介護や家事等を受けさせることを禁じています(日中サービス支援型は第213条の8第4項)。附則第18条の2は、次の入居者について、令和9年3月31日までの間、この決まりを適用しないとしています。
- 第1項: 区分4〜6で、重度訪問介護・同行援護・行動援護の支給決定を受けられる人が、住居の中で、GHの従業者以外による居宅介護か重度訪問介護を希望する場合
- 第2項: 区分4〜6の人が、住居の中で居宅介護(身体介護に限る)を希望し、個別支援計画に居宅介護の利用が位置づけられ、市町村が必要と認めた場合
特例を使う入居者は、生活支援員の員数を出す時の区分4〜6の利用者の数で、2分の1人と数えます(第3項)。期限のあとに特例がなくなれば1人と数えることになり、生活支援員の必要数が変わる事業所もあります。数え方は常勤換算の計算方法の記事にまとめています。
報酬改定検討チームの第62回の資料3(関係団体の主な意見)では、障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会が、この利用を経過措置ではなく恒久化するよう求めています。
出典: 基準省令 第208条第1項第2号・第211条第3項・第213条の8第4項・附則第18条の2、障害福祉報酬改定検討チーム 第62回(R8.8.27)資料3『令和9年度障害福祉報酬改定に関する主な意見』PDF p.59(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001742922.pdf)
通所系:食事提供体制加算
食事提供体制加算は、令和6年3月31日までの経過措置でした。令和6年度報酬改定で、栄養面の要件を加えたうえで、令和9年3月31日まで延長されています。大阪市の通知によると、加わった要件は次の3つです(細かな要件は告示と留意事項通知で確かめます)。
- 管理栄養士・栄養士が献立の作成に関わる(外部委託可)か、栄養ケア・ステーションや保健所等の管理栄養士等が栄養面を確認した献立である
- 利用者ごとの摂食量を記録している
- 利用者ごとの体重やBMIを、おおむね6月に1回記録している
単位は、通所系が1日30単位、短期入所と宿泊型自立訓練が1日48単位です。国の報酬改定検討チームも、第66回(令和8年10月22日)の資料で、令和6年度改定の内容として「令和9年3月31日まで延長」と載せています。第62回の資料3では、全国手をつなぐ育成会連合会と全国社会就労センター協議会が、経過措置ではなく恒久的な位置づけや制度にするよう求めています。
出典: 大阪市の通知 PDF p.1〜2、障害福祉報酬改定検討チーム 第66回(R8.10.22)資料『施設入所支援、生活介護、短期入所、療養介護に係る報酬・基準について』PDF p.66(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001761843.pdf)、第62回 資料3 PDF p.56・p.89
児発:旧医療型と、難聴児・重症心身障害児のセンター
令和4年の改正児童福祉法の附則第4条第1項で、施行の時に旧医療型児童発達支援の指定を受けていた事業者は、施行日に児童発達支援の指定を受けたものとみなされました。令和6年内閣府令第5号の附則は、次の2つに期限を付けています。
- 附則第2条: みなし指定の事業者は、通所支援基準第6条(児童発達支援センターの従業者の員数)にかかわらず、令和9年3月31日までの間、従前の例によることができる。設備(第10条)は附則第3条で「当分の間」
- 附則第4条: 令和6年4月1日に指定を受けていた、主として難聴児・重症心身障害児を通わせる児童発達支援事業所は、第6条と第11条(利用定員)にかかわらず、令和9年3月31日までの間、従前の例によることができる。設備は附則第5条で「当分の間」
第65回(令和8年10月5日)の資料は、児童発達支援センターの概要のページで、旧医療型と旧福祉型(難聴児、重症心身障害児)のセンターの人員を「令和8年度末までの間、改正前の基準によることができる」と書いています。同じ資料によると、医療型児童発達支援は、国保連データで令和7年度の一月平均29か所・利用者473人です。
出典: 児童福祉法 附則(令和4年6月15日法律第66号)第4条(https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164)、通所支援基準 第6条・第10条・第11条・附則(令和6年内閣府令第5号)第2条〜第5条、障害福祉報酬改定検討チーム 第65回(R8.10.5)資料『障害児支援に係る報酬・基準について』PDF p.25・p.28(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001755910.pdf)
訪問系にも同じ期限:同行援護・行動援護
第63回(令和8年9月24日)の資料は、令和9年3月31日に期限が来る訪問系の経過措置2つを論点に挙げ、検討の方向性(案)を示しています。
- 同行援護: 盲ろう者向け通訳・介助員を、同行援護従業者養成研修の修了者とみなす経過措置。研修の一部免除で受講の機会が確保されたとして、廃止を検討してはどうか、としています
- 行動援護: 介護福祉士や実務者研修修了者等を、行動援護従業者養成研修課程の修了者とみなす経過措置。減算を設けたうえで、令和9年3月31日の時点で行動援護事業所の従事者である人に限り、3年間延ばすことを検討してはどうか、としています
行動援護のページには「経過措置を設定してから12年が経過している」とあります。経過の2文字にしては長い12年です。どちらも検討の方向性(案)で、決まったものではありません。
出典: 障害福祉報酬改定検討チーム 第63回(R8.9.24)資料『訪問系サービスに係る報酬・基準について』PDF p.50・p.62(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001761330.pdf)
4月以降の扱いが決まる日程
検討チームの第55回(令和8年4月28日)資料5の進め方(案)では、12月に報酬・基準に関する基本的な考え方の整理・取りまとめ、令和9年2月に改定案のとりまとめ、3月に関係告示の改正・通知等の発出、4月以降に改定後の報酬の適用、という順番です。第62回の資料2(主な論点(案))は、制度の持続可能性の確保の項で、長期化した経過措置への対応の検討にも触れています。
第67回(令和8年10月30日)で共同生活援助が議題になりました。資料の【論点1】「個人単位の居宅介護等の利用の特例的取扱いの在り方について」は、検討の方向性(案)として、重度化・高齢化への対応と重度障害者の受入れ体制を確保する観点から「当面の対応として、令和9年度以降も特例的な取扱いを延長してはどうか」としています。あわせて、複数の関係団体から恒久化を求める要望があることを踏まえ、GH事業所と居宅介護事業所の間の責任の所在の明確化、事故発生時の対応、支給決定を通じた給付の在り方などを、実証的な取組も含めて検討してはどうか、とも書かれています。まだ案で、決まったものではありません。延長の形(期間や条件)は、12月の取りまとめと2月の改定案を見るまでわかりません。
出典: 厚生労働省「障害福祉報酬改定検討チーム」(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syougai_446935_00001.html)、第67回(R8.10.30)資料『自立訓練、自立生活援助、地域移行支援、地域定着支援、地域生活支援拠点等、共同生活援助、強度行動障害の状態にある者等への支援に係る報酬・基準について』PDF p.102(印字 p.101)(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001764818.pdf)、第55回(R8.4.28)資料5『令和9年度障害福祉サービス等報酬改定に向けた検討の進め方について(案)』PDF p.2(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001696206.pdf)、第62回(R8.8.27)資料2『令和9年度障害福祉報酬改定に向けた主な論点(案)』PDF p.8(https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001742921.pdf)
3月までにやること(私たちの整理)
- 表の経過措置に当たる人と加算を書き出す。GHは特例を使う入居者と区分、通所は食事提供体制加算の算定と3つの記録、児発センターは改正前の基準で置いている職員、訪問系は研修のみなしで働いている職員
- 12月の基本的な考え方が出たら、表の行ごとに「延びる・変わる・終わる」を書き込む
- 2月の改定案で、4月からの勤務表・人員配置・研修の受講・利用者と家族への説明を決める。GHの特例は、市町村と相談支援専門員とも話しておく
- 3月の告示・通知と、所在地の指定権者の案内で最後に確かめる
この記事は条文と国・自治体の公表資料を読んで整理したものです。経過措置はここに挙げたものだけではありません。4月以降の扱いは令和9年度の報酬改定で決まるので、改定の資料と所在地の指定権者の案内を確認してください。
「通知が来てから当日までの段取り表」と「確認される書類の一覧(7サービス)」を、メールアドレスだけで受け取れます(数分以内にURLをお届けします)。
議事録も計画書も、最後は職員が打ちます。その職員が怖がらずに道具を使い始める入口の60分を、研修の第1回「ICTって何? 怖がらずに使える"道具"の話」そのまま・無料で。11月16日(月)10:00〜11:00・Zoom。顔出し・発言は任意、聞くだけでも大丈夫です。参加しても、研修の申し込みは義務ではありません。
11/16(月)の無料体験会に申し込む →
この記事は、国の公表資料をもとにHappiter株式会社が要約したものです。自分の事業所が当たるかと4月以降の扱いは、令和9年度改定の資料と所在地の指定権者の案内を確認してください。誤りを見つけた方は お問い合わせ からお知らせください。
