放課後等デイサービスの申し送りをデジタルにする(Chatwork・Google)
出典: 児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第15号。以下「基準省令」)第21条第1項・第54条第2項(放課後等デイサービスは第71条で準用)(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/424M60000100015)
口頭とノートの申し送りで起きること
- 伝言ゲームになる: 「少し熱っぽかった」が、3人目には「早退した」に変わる、のように、人を通るたびに中身が変わります
- 休みの職員に届かない: 朝の口頭の申し送りは、その場にいた人にしか届きません。翌日の担当が知らないまま迎えに行くことが起きます
- ノートは1冊しかない: 送迎中や別の部屋の職員は読めず、誰が読んだかもわかりません
- 記録を求められた時に探せない: 運営指導や保護者からの問い合わせで「あの日に何があったか」を聞かれると、ノートをめくって探すことになります
基準省令で「記録」に当たるもの
基準省令が整備と保存を求める、子どもに関する主な記録は次のとおりです。申し送りのチャットはどれにも当たらない「伝達」として扱い、当てはまる出来事は、それぞれの記録に書きます。
| 記録 | 基準省令 | 申し送りとの関係 |
|---|---|---|
| サービス提供の記録(提供日・内容その他必要な事項) | 第21条第1項 | その日の支援の内容は、提供の都度ここに書く |
| 放課後等デイサービス計画 | 第27条 | 計画に関わる気づきは、児発管に渡す |
| 身体拘束等の記録 | 第44条第2項 | やむを得ず行った時は、態様・時間などを記録 |
| 苦情の内容等の記録 | 第50条第2項 | 保護者からの苦情は、チャットで終わらせない |
| 事故の状況と処置の記録 | 第52条第2項 | チャットで共有したうえで、記録に残す |
これらは、提供した日から5年間保存します(第54条第2項)。書面で作る・残すとされているものは、一部を除き電磁的記録でもよい(第83条第1項)ので、記録をGoogleなどで作ることもできます。その場合も、申し送りとは置き場を分けます。
Chatworkの無料のフリープランは、メッセージを見られるのが直近40日以内です。5年間残す記録の置き場には向きません。
出典: 基準省令 第21条・第27条・第44条・第50条・第52条・第54条(第71条で準用・読み替え)・第83条(第8章 雑則。準用ではなく、指定障害児通所支援事業者に直接かかる条文)、Chatwork「プラン・料金」(https://go.chatwork.com/ja/price/)
最小の形: 1つのグループチャットと5行の型
申し送り用のグループチャットを、事業所に1つだけ作ります。雑談や個別の相談は別のチャットにし、申し送りはここに集めます。書く時は、毎回この5行の型を使います。
- 日付: 10/23(木)
- 子ども: 書き方を事業所で1つに決める(フルネームは書かない、など)
- 出来事: 事実だけ。いつ・どこで・何があったか
- 対応: その場でしたこと。保護者に連絡したかどうか
- 次の人へ: 次の担当・送迎・明日の支援で気をつけること
型はグループチャットの概要欄に貼っておくと、書く人が迷いません。「次の人へ」にやることがある時は、Chatworkのタスクにして担当と期限を付けます。写真や配布物はGoogleドライブの決めたフォルダに置き、チャットにはリンクだけを貼ります。
写真の扱い(外部サービスに置く時の同意)
- 本人がわかる写真は個人情報: 画像や電磁的記録でも、特定の個人を識別できれば個人情報です(個人情報保護法 第2条第1項)
- 使い道を先に決めて伝える: 利用目的はできる限り特定し(第17条)、取得したら本人に通知か公表をします(第21条)。目的の範囲を超えて使う時は、あらかじめ本人の同意が要ります(第18条)
- 説明と同意の書き方: 「申し送りと支援の記録のために撮影し、事業所のクラウドに保存する」のように、撮る目的・置き場所・見られる人を重要事項の説明に書き、保護者に説明して同意をもらっておくと、あとで迷いません
- クラウドに置くこと: 個人情報保護委員会のQ&Aは、クラウドの提供事業者が契約で個人データを取り扱わないことになっていて、アクセス制御もしている場合などは「提供」に当たらず、本人の同意は要らないとしています。その場合も、事業所は自ら安全管理措置を講じます(Q7-53・Q7-54、法第23条)
- ほかの事業所などに渡す時: 障害児や家族の情報を、ほかの福祉サービスの事業者などに渡す時は、あらかじめ文書で同意を得ます(基準省令 第47条第3項)
- 職員の私物のスマホに残さない: 撮るのは事業所の端末にし、保存先はドライブの決めたフォルダにします
出典: 個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)第2条・第17条・第18条・第21条・第23条(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000057)、個人情報保護委員会「『個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン』に関するQ&A」Q7-53・Q7-54(https://www.ppc.go.jp/personalinfo/faq/APPI_QA/)、基準省令 第47条
1週間で始める順番
- 1日目 見るだけの日: 管理者がチャットを作って型を貼り、例を3件書いて全員に見せます。職員は読むだけです
- 2日目 一緒に設定: 職員のスマホやパソコンで、ログインと通知の設定を、慣れた職員と2人1組で行います
- 3〜5日目 1日1件: 1人1日1件だけ、型で書きます。この間はノートも併用します
- 6〜7日目 全員: 申し送りはすべてチャットに。ノートを閉じる日を決め、書きにくかった所を型に直して2週目に入ります
いきなりノートをやめず、併用の期間と終わりの日を先に決めておくと、慎重な職員も入りやすくなります。
よくあるつまずき3つ
1. 通知が多すぎて読まれない
申し送り以外の話が混ざると、大事な1件が流れます。申し送り用は1つに絞り、読んだ合図はリアクションにして、「了解です」の返信を減らします。
2. 個人のLINEに戻る
急ぎの時ほど、私用のLINEで送られがちです。業務の連絡は事業所のチャットだけ、と最初に全員で確かめます。基準省令は、辞めた職員も含めて、業務上知り得た秘密を漏らさないよう必要な措置を求めています(第47条第1項・第2項)。
3. チャットに書いて、記録に書かない
チャットに書いたことで済んだ気になり、提供の記録が抜けます。終業前に、その日のチャットを見て記録に写す担当と時間を決めておきます。
出典: 基準省令 第47条
「通知が来てから当日までの段取り表」と「確認される書類の一覧(7サービス)」を、メールアドレスだけで受け取れます(数分以内にURLをお届けします)。
申し送りを変える前に、記録に使う時間・同じ内容の転記・記録の型・その場での入力など20項目を点検できます。✅が付かない項目が、事業所の「埋蔵時間」です(登録なし・印刷できます)。
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議事録も計画書も、最後は職員が打ちます。その職員が怖がらずに道具を使い始める入口の60分を、研修の第1回「ICTって何? 怖がらずに使える"道具"の話」そのまま・無料で。11月16日(月)10:00〜11:00・Zoom。顔出し・発言は任意、聞くだけでも大丈夫です。参加しても、研修の申し込みは義務ではありません。
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全20回の伴走研修では、第7回「報連相とタスク管理を見える化する」で、ChatworkとGoogleでチームが回る形を一緒に作ります。第1回「ICTって何?」は無料の体験会で受けられます。
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この記事は、国の公表資料をもとにHappiter株式会社が要約したものです。個人情報の取扱いと記録の様式は、事業所が判断します。使うサービスの利用規約と、指定権者の案内を確認してください。誤りを見つけた方は お問い合わせ からお知らせください。
