放課後等デイサービス・児童発達支援の自己評価と保護者評価 — おおむね年1回の進め方、公表と届出の期限、未公表減算(所定単位数の85%)
出典: 児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成24年厚生労働省令第15号。以下「基準省令」)第26条・第71条(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/424M60000100015)、大阪市「令和7年度児童発達支援、放課後等デイサービス及び保育所等訪問支援事業における自己評価結果等の公表及び大阪市への届出について(通知)」令和8年1月20日(以下「大阪市通知」)p.1〜4(https://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/cmsfiles/contents/0000615/615151/01_antuuuti.pdf)
何を評価して、何を公表するのか(基準省令 第26条)
基準省令は、従業者の評価を受けて事業所が自ら評価し(自己評価)、保護者の評価(保護者評価)を受けて改善を図るよう求めています。評価する事項は7つです。
- 子どもと保護者の意向・障害の特性などを踏まえた支援の体制
- 従業者の勤務の体制と、資質の向上の取組
- 設備・備品等
- 関係機関や地域との連携・交流
- 子どもと保護者への情報の提供・助言などの援助
- 緊急時等の対応方法と非常災害対策
- 業務の改善を図るための措置
そのうえで、おおむね1年に1回以上、自己評価・保護者評価と改善の内容を保護者に示し、インターネットの利用その他の方法で公表します。放課後等デイサービスは第71条で準用します。保育所等訪問支援も第79条で準用し、訪問先施設による評価も行います(未公表減算は令和7年4月1日から)。
出典: 基準省令 第26条第6項・第7項、第71条、大阪市通知 p.1・p.3〜4
進め方は5つのステップ(こども家庭庁のガイドライン別添)
ガイドラインの別添「事業所全体の自己評価の流れ」は、5つのステップです。
- 保護者等による評価と、従業者による評価: 保護者等向け評価表でアンケートを行い、特記事項の記述も含めて集計します(回答率の向上に努めることが望ましい)。従業者は事業者向け自己評価表で、「はい」「いいえ」だけでなく課題や工夫している点も書きます(できる限り全従業者から)
- 事業所全体による自己評価: 管理者など一部の人だけで行わず、ミーティング等で意見交換しながら評価し、自己評価総括表で「強み」と「弱み」を分析します
- 改善・充実に向けた検討: 今後の見通しと具体的な取組を整理します
- 自己評価結果等の公表: 「はい」「いいえ」の集計を公表すること自体が趣旨ではない、と明記されています
- 支援の改善に向けた取組: 日々の支援に反映します
大阪市通知は、評価表の回収で個人が特定されない工夫(回収用の箱に入れてもらい、締切日まで開封しない等)を求め、公表はホームページへの掲載のほか、会報に載せて保護者に配る方法も認めています。
出典: 大阪市 添付資料1「障害児通所支援事業所における事業所全体の自己評価の流れ」(各ガイドライン別添。https://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/cmsfiles/contents/0000615/615151/02_tenpu1.pdf)、大阪市通知 p.1〜2
使う様式(こども家庭庁の評価表)
評価表(Excel)は、こども家庭庁の「各種ガイドライン・手引き等について」のページにあります。放課後等デイサービス分は「令和8年4月9日に掲載資料を更新」とされているので、前の年度のファイルを使い回さず、取り直すと安全です。
| 様式(放課後等デイサービス) | 使う人 | 公表 |
|---|---|---|
| 別紙1 従業者向け評価実施シート(54項目) | 従業者 | しない |
| 別紙2 保護者向け評価実施シート(29項目) | 保護者 | しない |
| 別紙3 自己評価総括表 | 事業所 | する |
| 別紙4 保護者評価の集計シート | 事業所 | する |
| 別紙5 事業者用自己評価シート | 事業所 | する |
保護者向けの項目は「環境・体制整備」「適切な支援の提供」「保護者への説明等」「非常時等の対応」「満足度」に分かれています。大阪市は、表現を実態に合わせて書き換えてもよいが、項目は削除しないよう案内しています。
出典: こども家庭庁「各種ガイドライン・手引き等について」(https://www.cfa.go.jp/policies/shougaijishien/shisaku/guideline_tebiki)掲載の「放課後等デイサービス自己評価・保護者評価」(Excel・令和8年4月9日更新)、大阪市通知 p.5、大阪市「自己評価結果等の公表及び大阪市への届出について」よくあるお問い合わせ 質問2(https://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/page/0000615151.html)
未公表減算: 届け出ていない月から、障害児全員が100分の85
- 率: 所定単位数(各種加算の前の単位数)の100分の85
- 期間と対象: 届出がされていない月から、その状態が解消されるに至った月まで、障害児全員
- 届出のあと: 大阪市は、届出の内容に不備や要件の未達が分かった場合も減算がありうる、としています
- 指導: 留意事項通知は、指導に従わない場合は特別な事情がある場合を除き指定の取消しを検討する、としています
基本報酬が月200万円の事業所なら、減算の月は30万円の減収です(加算を除いた計算)。国の報酬算定構造(令和8年度)でも、放課後等デイサービスの「自己評価結果等未公表減算」は×85/100です。
出典: 大阪市通知 p.2〜4(報酬告示 別表第3の1注4、留意事項通知 第二の1(8)の抜粋)、厚生労働省「障害福祉サービス費等の報酬算定構造」(令和8年度)放課後等デイサービス給付費 PDF p.49(https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001658031.pdf)
届出の期限は自治体ごとに違う
| 自治体 | 令和7年度分の期限 | 指定から1年未満 |
|---|---|---|
| 大阪市 | 令和8年3月6日(行政オンラインシステム) | 指定日から1年以内 |
| 福岡県 | 令和8年4月30日(郵送) | 指定日から1年以内 |
大阪市は、期限までに届出がない場合は令和8年4月から減算を適用するとし、利用者がいない場合も従業者評価をして公表・報告が必要と案内しています。福岡県は、新規指定の事業所は指定年月日から1年以内、次年度以降は4月末までとしています。対象・期限・届出の方法は、所在地の指定権者の通知で確かめてください。
出典: 大阪市通知 p.1〜2、大阪市 よくあるお問い合わせ 質問1・質問3、福岡県「障害児通所支援事業所における自己評価結果の公表にかかる届出について」(https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/jikohyouka.html)
支援プログラムの公表は、別の届出
令和6年度の報酬改定で、児童発達支援・放課後等デイサービス・居宅訪問型児童発達支援は、5領域(「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」)との関連を明確にした「支援プログラム」を作成・公表し、公表の方法と内容を届け出ることになりました。届け出ていないと「支援プログラム未公表減算」(所定単位数の100分の85)がかかります。大阪市は、令和7年4月1日以降に新規で指定を受ける事業所は指定日までに届け出るよう案内しています。
支援プログラムには、基本情報(作成または見直しを行った年月日を含む)と、本人支援と5領域の関連性、家族支援、移行支援、地域支援・地域連携、職員の質の向上の取組、主な行事などを載せます。保護者向け評価表の6番目の項目は「事業所が公表している支援プログラムは、事業所の提供する支援内容と合っていると思いますか」です。手続きは別でも、中身はつながっています。
出典: こども家庭庁支援局障害児支援課「児童発達支援等における支援プログラムの作成及び公表の手引き」PDF p.2〜4(大阪市掲載 https://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/cmsfiles/contents/0000643/643086/01.shienpuroguramu-no-tebiki.pdf)、大阪市「児童発達支援等における支援プログラム未公表減算に関する届出について」(https://www.city.osaka.lg.jp/fukushi/page/0000643086.html)、報酬算定構造 PDF p.49
年度内に届け出る自治体での段取りの例
- 最新の様式を取り直す: こども家庭庁の掲載ページと、指定権者の通知の様式を確かめます
- 従業者評価と保護者アンケートを配る: 締切と、個人が特定されない回収の方法を先に決めます
- 集計と事業所全体の自己評価: 特記事項もまとめ、ミーティングで評価し、総括表で強み・弱みと改善の取組を整理します
- 公表と届出: 公表して保護者に示し、期限までに指定権者へ届け出ます。公表した物と届出の控えは、運営指導で見られる書類として保管します
放課後等デイサービスの運営指導で見られる書類全体は、放課後等デイサービスの運営指導で見られる書類にまとめています。
この記事は国と自治体の公表資料を読んで整理したものです。減算の適用や届出の扱いの判断は、指定権者(都道府県・指定都市・中核市など)が行います。期限・様式・届出の方法は、所在地の指定権者の最新の通知で確認してください。
この記事は、国の公表資料をもとにHappiter株式会社が要約したものです。制度の適用は自治体・指定権者の判断が優先します。誤りを見つけた方は お問い合わせ からお知らせください。
