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地域連携推進会議の進め方|グループホームの義務と記録

2026-10-27書いた人: 茂呂史生(Happiter株式会社)
グループホーム(共同生活援助)は、利用者・家族・地域の関係者・市町村の担当者などで作る地域連携推進会議を開き、おおむね1年に1回以上、運営の状況を報告して要望や助言を聴きます。会議とは別に、構成員が事業所を見学する機会も、おおむね1年に1回以上設けます。会議で出た報告・要望・助言は記録を作って公表します。令和6年度は努力義務で、令和7年度から義務です。厚生労働省の手引きと、文京区・江東区・札幌市の案内をもとに、構成員の選び方から議事録の公表までを整理します。
出典: 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号。以下「障害福祉サービスの基準」)第210条の7(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000100171)、厚生労働省「地域連携推進会議の手引き」(以下「手引き」)p.1(PDF p.4)(https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001319880.pdf)

基準省令で決まっていること

決まり第210条の7
地域連携推進会議を開き、おおむね1年に1回以上、事業の運営の状況を報告し、要望・助言等を聴く(テレビ電話装置等でも可)第2項
会議のほかに、おおむね1年に1回以上、構成員が事業所を見学する機会を設ける第3項
報告・要望・助言等の記録を作り、公表する第4項
外部の者による評価と実施状況の公表、またはこれに準ずる措置として都道府県知事が定めるものを講じていれば、上の3つは適用しない第5項

日中サービス支援型は第213条の10に同じ決まりがあり(協議会等への定期的な報告と評価も別にあります)、外部サービス利用型は第213条の22で第210条の7を準用します。

出典: 障害福祉サービスの基準 第210条の7・第213条の10・第213条の22

構成員の選び方:5名程度、3者は必ず

手引きは、構成員に利用者・利用者家族・地域の関係者・福祉に知見のある人・経営に知見のある人・所在地の市町村担当者などを想定し、5名程度が望ましいとしています。利用者・利用者家族・地域の関係者の3者は必ず選出します。

自治体の扱いには違いがあります。区の職員に出席を頼む場合、文京区は開催の2か月前までに連絡、江東区は2か月前までに日程等を相談して1か月前までに依頼文等を出すよう案内しています。札幌市は、町内会と民生委員の負担軽減のため、原則として構成員になるよう依頼しないこと、市の職員は市が任意に抽出した施設等の会議に参加することを定めています。

出典: 手引き p.4〜5(PDF p.7〜8)・p.12(PDF p.15)、文京区「地域連携推進会議について(障害者支援施設、共同生活援助)」(https://www.city.bunkyo.lg.jp/b018/p003611/p003566.html)、江東区「地域連携推進会議について(障害者支援施設、共同生活援助)」(https://www.city.koto.lg.jp/221016/fukushi/shogaisha/service/chiikirenkeisuishin.html)、札幌市「札幌市における地域連携推進会議の進め方」p.2〜3(https://www.city.sapporo.jp/shogaifukushi/jiritsushien/documents/chikirenkeisuishinkaigi_tsuchi_besshi.pdf)

当日の議題と、見学の組み方

手引きは、会議を施設側の一方的な報告にせず、サービスや暮らしに点数を付ける場でもない、としています。議事次第の例は3つの柱で、それぞれ40分です。開く回数が多い会議ではないので、2時間程度とることが望まれます。

柱(目的)議題の例
施設等・地域の連携障害についてのレクチャー、近隣からの苦情等の共有、地域行事の案内
透明性・質の確保利用者の日常生活の様子、経営状況の報告、BCPの策定状況
利用者の権利擁護虐待・事故・ヒヤリハットの報告、支援者の様子、利用者の意向アンケートの結果

虐待や事故の共有は、意義を説明して構成員の理解を得て、個人が特定されないように配慮します。会議の前に、すべての利用者と家族に、地域の人と顔を合わせることへの意向を確かめ、望まない人を無理に出席させません。2回目以降は、前回からの変更点・改善点を報告したうえで、議題を絞って深掘りします。

見学は、会議とは別の日に、構成員(地域連携推進員)が行います。グループホームは共同生活住居ごとに年1回以上です。住居を2つ持つ事業所なら、会議を年1回以上、見学を2か所以上受け入れます。一戸建ての住居なら、1月はAさん、2月はBさんのように日を分けます。オンラインでも行えますが、全員がオンラインではなく、実際に訪問する構成員がいることが望まれます。なお札幌市は、効率的な場合などに会議と見学を同じ日に行うことも認めています。

「おおむね年1回」の「おおむね」を頼りにすると、年度末の3月に会議と見学が渋滞します。

出典: 手引き p.6〜11(PDF p.9〜14)、札幌市の資料(前掲)p.7

記録:議事録を作って公表する

会議のあとは速やかに、施設等が行った報告と、構成員から受けた要望・助言等の議事録を作ります(手引き)。

  1. 個人が特定される部分は削る
  2. 出席した構成員に内容を確かめてもらう
  3. 詳しい議事録でなく、会議の概要をまとめたものでもよい
  4. 公表する: ホームページや広報誌への掲載、事業所内への掲示など、多くの人が見られる方法で

札幌市は、議事録を市の様式1で作って市に出し、見学の記録(施設訪問記録)も様式2で出す(こちらは公表の義務なし)としています。年度に1回程度、会議と見学の実施状況、議事録の公表の状況も市に報告します。

議事録を何年残すかは、手引きに書いてありません。基準省令で5年保存とされる記録(第213条で準用する第75条第2項の6つ)にも、地域連携推進会議の記録は挙がっていません。年数は所在地の指定権者に確かめ、決まりが無い時は、ほかの記録と同じ5年で残すと事業所で決めておくと迷いません(私たちの例)。

出典: 手引き p.14(PDF p.17)、札幌市の資料(前掲)p.6〜7、障害福祉サービスの基準 第75条・第213条

外部評価で代える場合

第5項の「都道府県知事が定めるもの」は、指定権者ごとに中身を確かめます。江東区は、都道府県の認証を受けた福祉サービス第三者評価の評価機関で評価を受け、実施状況を公表していれば、会議と見学に代えられる(受審した年度のみ)と案内しています。札幌市は、各年度に1回程度評価を受け、実施状況(直近の実施日・評価機関の名称・評価結果)を公表し、記録を5年間保存する場合に代える措置として扱う、としています。

出典: 江東区の案内(前掲)、札幌市の資料(前掲)p.8、札幌市「札幌市における地域連携推進会議の進め方について(通知)」(令和7年2月7日 札障第4135号)(https://www.city.sapporo.jp/shogaifukushi/jiritsushien/documents/chikirenkeisuishinkaigi_tsuchi.pdf)

手引きと依頼文例の使い方

厚生労働省の共同生活援助のページには、手引き・資料編・構成員向けの参加依頼文例(Word)が載っています。資料編の資料1(事業所向けの概要)は利用者・家族への説明に、資料3(構成員向けの説明資料)と資料5(参加依頼文と参加承諾書)は就任の依頼に、資料4(地域連携推進員の手引き)は構成員に渡しておきます。資料4の「訪問の際の視点」は、事業所のセルフチェックにも使えると手引きは書いています。

日程は会議の1か月前までに決めるのが望ましく、年間計画を作って計画的に準備するのが効果的、と手引きは書いています。区の職員に出席を頼むなら2か月前(文京区・江東区の例)、と逆算すると、春のうちに構成員の依頼まで済ませておくと慌てません(私たちの例)。

出典: 厚生労働省「3.共同生活援助」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41992.html)、手引き p.10〜12(PDF p.13〜15)
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茂呂史生
茂呂史生 Happiter株式会社 代表。2005年から訪問介護・放課後等デイサービス・グループホーム・就労支援を自分の手で立ち上げ、4社を経営。著書『世界を変える子どもたち』。

この記事は、国の公表資料をもとにHappiter株式会社が要約したものです。会議の構成員・記録の公表の方法は、所在地の指定権者の案内を確認してください。誤りを見つけた方は お問い合わせ からお知らせください。